26PM160第26回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第26回午後(科目未分類)

透熱灸刺激では起こらない鎮痛機序はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

鍼と灸で働く鎮痛機序の違いを問う問題です。どの太さの神経線維を興奮させるかが分かれ目になります。

解説

ゲートコントロール説は、**太い有髄線維(Aベータ線維、触圧覚を伝える線維)**の入力が増えると、脊髄後角の介在ニューロンを介して、細い線維(AデルタとC線維)による痛覚の伝達が抑えられるという考え方です。痛いところをさすると楽になる現象や、経皮的電気神経刺激(TENS)による鎮痛がこの機序で説明されます。

透熱灸は、皮膚に熱刺激を与える方法です。熱刺激を受容するのは自由神経終末(ポリモーダル受容器を含む)であり、その情報はAデルタとC線維という細径線維によって伝えられます。すなわち、透熱灸では太い線維(Aベータ)を選択的に興奮させることができないため、ゲートコントロール説に基づく鎮痛は起こりにくいといえます。したがって正答は3です。押手や触圧刺激を伴う鍼では太い線維の関与も考えられますが、熱刺激が主体の透熱灸では成り立ちにくい機序です。

一方、透熱灸でも起こる鎮痛機序を確認します。

下行性痛覚抑制系は、細径線維の入力が中脳中心灰白質を活性化し、延髄の大縫線核(セロトニン)や青斑核(ノルアドレナリン)を介して脊髄後角での痛覚伝達を抑えるものです。灸の熱刺激でも賦活されます。

**広汎性侵害抑制調節(DNIC)**は、身体のどこかに強い侵害刺激が加わると、それとは離れた部位の痛みが抑えられる現象です。透熱灸は明確な侵害刺激となるため、この機序が働きます。

血流改善による発痛物質の洗い流しは、灸の温熱刺激による血管拡張で局所の血流が増え、ブラジキニンなどの発痛物質が除去されることによる鎮痛です。灸の代表的な効果の一つといえます。

選択肢の確認

1.下行性痛覚抑制系
起こる。細径線維の入力により賦活されます。

2.広汎性侵害抑制調節
起こる。強い侵害刺激により離れた部位の痛みが抑えられます。

3.ゲートコントロール説に基づく鎮痛系
起こらず、これが正答。太い線維(Aベータ)の入力を必要とするためです。

4.血流改善による発痛物質の洗い流しに基づく鎮痛
起こる。温熱による血管拡張で発痛物質が除去されます。

覚えるポイント

  • ゲートコントロール=太い線維(Aベータ)の入力で痛覚を抑える。触圧刺激やTENSが該当。
  • **透熱灸は熱刺激=細径線維(AデルタとC)**を興奮させるため、ゲートコントロールは働きにくい。
  • 灸で働く鎮痛=下行性痛覚抑制系、広汎性侵害抑制調節、血流改善による発痛物質の除去
26PM15925AM1
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