27AM77|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「80歳の男性。1年前から夜間に人や子どもが見え、本当に人がいるように話しかけることもある。半年前から次第に動作が鈍くなってきた。最近は物忘れも出現している。」本症例で動作が鈍くなってきた原因として正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
幻視、動作緩慢、認知機能低下という3つの症状から疾患を推定し、動作が鈍い原因を答える問題です。
解説
80歳の男性で、人や子どもが見えるという具体的な幻視が1年前から出現し、その後に動作緩慢、さらに物忘れが加わっています。この経過はレビー小体型認知症に典型的です。レビー小体型認知症は、アルツハイマー型に次いで多い変性性認知症で、具体的で繰り返される幻視、パーキンソニズム、認知機能の動揺、レム睡眠行動障害を特徴とします。
動作が鈍くなった原因は、パーキンソニズムです。レビー小体型認知症では、大脳皮質のみならず脳幹の黒質にもレビー小体が出現し、ドパミン神経が減少するため、動作緩慢(無動)、筋強剛、姿勢反射障害が生じます。振戦は比較的目立たないことが多く、左右差が乏しい傾向があります。設問の正答です。
下肢筋力の低下であれば筋力検査で明らかな低下が確認されるはずで、動作の緩慢さの説明としては不十分です。歩行失行は正常圧水頭症などでみられる開脚小刻みの歩行障害で、幻視が先行する経過とは合いません。深部感覚障害は、ふらつきや感覚性運動失調として現れ、ロンベルグ徴候が陽性となるもので、この症例の特徴とは異なります。
臨床上の重要点として、レビー小体型認知症は抗精神病薬に対する過敏性が強く、少量でもパーキンソニズムが悪化しやすいこと、転倒しやすいことが挙げられます。施術に際しては、姿勢の安定と転倒予防に配慮します。
選択肢の確認
1.下肢筋力の低下
誤り。筋力低下ではなく動作の開始と遂行の障害です。
2.歩行失行
誤り。正常圧水頭症などでみられ、この経過には合いません。
3.パーキンソニズム
正しい。黒質の変性により動作緩慢と筋強剛が生じます。
4.深部感覚障害
誤り。感覚性運動失調を示すもので本症例の特徴と異なります。
覚えるポイント
- レビー小体型認知症=具体的な幻視、パーキンソニズム、認知機能の動揺、レム睡眠行動障害。
- 動作緩慢の原因は黒質の変性によるパーキンソニズム。
- 抗精神病薬に過敏で、転倒しやすい点に注意。