27PM119|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対する治療で最も適切なのはどれか。「38歳の男性。主訴は鼻閉と鼻汁。鼻汁は黄色く粘りがあり量も多い。日中は頭がぼんやりすることが多く、皮膚掻痒感や嗅覚障害もある。舌質は紅、胖大舌。」
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
鼻の症状から痰湿(湿熱)を見抜き、化痰の要穴を選ぶ症例問題です。分泌物の性状と舌の所見が決め手になります。
解説
38歳の男性で、次の所見があります。
鼻汁が黄色く粘りがあり量も多いという点が重要です。粘稠で量が多い分泌物は痰湿を示し、黄色いことから熱を伴う、すなわち**痰湿化熱(湿熱)**と考えられます。
日中は頭がぼんやりするのは、湿濁が清陽の上昇を妨げ、清竅(頭部の感覚器)を覆うためです。湿邪の重濁性による頭重や頭のぼんやり感は典型的な症状です。
嗅覚障害は、鼻の通りが濁った痰湿にふさがれていること、皮膚掻痒感は湿邪が肌表に停滞していることを示します。
舌質は紅で熱を、胖大舌で水湿の停滞を示し、痰湿と熱の併存という判断を裏づけます。
したがって治療方針は化痰除湿と清熱であり、痰を除く要穴を瀉法で用います。豊隆は、足の陽明胃経の絡穴で、下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸にあり、古くから「痰を治すには豊隆」といわれる化痰の代表穴です。実証に対して瀉法を行うのが適切であり、正答は3です。
太淵は肺経の原穴・兪土穴で、肺気虚に補法を行う穴です。太白は脾経の原穴・兪土穴で、脾気虚に補法を行う穴です。いずれも虚証に対する補法であり、痰湿の実証を除く目的には合いません。風門は風邪の侵入を防ぐ穴で、外感風邪の初期に用いられますが、本症例の痰湿化熱の中心的な治療穴とはなりません。
選択肢の確認
1.太淵に補法を行う。
誤り。肺気虚に対する補法であり、痰湿の実証には合いません。
2.太白に補法を行う。
誤り。脾気虚に対する補法です。
3.豊隆に瀉法を行う。
正しい。化痰の要穴に瀉法を行い、痰湿を除きます。
4.風門に瀉法を行う。
誤り。外感風邪の初期に用いる穴で、本症例の中心とはなりません。
覚えるポイント
- 粘稠で量の多い分泌物=痰湿、黄色ければ熱を伴う。
- 豊隆=胃経の絡穴、化痰の要穴(外果尖の上方8寸)。実証には瀉法。
- 胖大舌=水湿の停滞、舌質紅=熱。湿は清陽を妨げ頭重やぼんやり感を生む。