27PM121|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。「46歳の男性。主訴は肩こり。仕事で神経を使うことが多く肩こりが気になり始めた。イライラしやすく、こりがひどくなると肩上部のつまった感じがする。脈は左関上が弦。」
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
肝気鬱結による肩こりを判断する症例問題です。脈の左関上と情志の症状が決め手になります。
解説
46歳の男性で、次の所見があります。
仕事で神経を使うことが多いという情志の負担があり、イライラしやすいという症状があります。これは肝の疏泄失調を示します。肝は気機(気の巡り)を調節する臓であり、精神的緊張が続くとその働きが滞ります。
こりがひどくなると肩上部のつまった感じがするという表現も、気が滞って通じない状態を示しています。東洋医学では「通ぜざればすなわち痛む」といい、気血の流れが妨げられると張り、つまり、痛みが生じます。
脈は左関上が弦です。六部定位脈診では左関上が肝に配当され、弦脈は肝胆の病、気滞、疼痛を示します。所見が一致して肝気鬱結を指しています。
したがって治療方針は、滞った気を巡らせて発散させること(疏肝理気)であり、「気を散らす」が正答となります。取穴では、太衝(肝経の原穴)、期門(肝の募穴)、肝兪、陽陵泉、合谷、内関、肩井や肩外兪などの局所穴を組み合わせます。太衝と合谷を合わせた四関穴は気を巡らせる代表的な配穴です。
脾気を補うのは脾気虚に、運化を促すのは脾の運化失調による痰湿や食滞に対する方針です。瘀血を除くのは、固定性の刺痛、夜間増悪、暗紫舌などがそろう場合の方針であり、いずれも本症例の所見とは合いません。
選択肢の確認
1.気を散らす。
正しい。肝気鬱結に対する疏肝理気の方針です。
2.脾気を補う。
誤り。食欲不振や軟便など脾気虚の所見はありません。
3.運化を促す。
誤り。痰湿や食滞を示す所見はありません。
4.瘀血を除く。
誤り。刺痛や暗紫舌など瘀血の所見はありません。
覚えるポイント
- 肝気鬱結=情志の失調、イライラ、胸脇の張り、ため息、弦脈。
- 六部定位で左関上は肝。弦脈は肝胆・気滞・疼痛。
- 方針は疏肝理気。太衝、期門、肝兪、陽陵泉、四関穴(合谷と太衝)。