27PM123|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対し、募穴を用いて施術をする際、最も適切な組合せはどれか。「27歳の女性。精神的ストレスにより便秘と下痢を繰り返している。腹痛は排便により軽減する。痩せ型で腹鳴もみられることがある。」
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
過敏性腸症候群にあたる病態を東洋医学的にとらえ、関係する2つの臓の募穴を選ぶ問題です。
解説
27歳の女性で、精神的ストレスにより便秘と下痢を繰り返す、腹痛は排便により軽減、痩せ型で腹鳴という経過です。現代医学的には**過敏性腸症候群(交代型)**に相当する状態です。
東洋医学的には、次のように考えます。精神的ストレスにより肝の疏泄が失調(肝気鬱結)し、その滞った気が脾胃の運化を妨げる、いわゆる**肝気乗脾(肝脾不和)**の状態です。肝が脾を剋しすぎることで、便通が乱れ、腹痛、腹鳴が生じ、排便によって気が通じると痛みが軽くなります。痩せ型であることも脾の運化が十分でないことを示します。
したがって治療は、肝の疏泄を調え、脾を健やかにする方針となり、募穴を用いるなら肝の募穴と脾の募穴の組合せが適切です。
肝の募穴は期門で、前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸にあります。脾の募穴は章門で、側腹部、第11肋骨端下縁にあります。したがって正答は1です。なお、章門は八会穴の臓会でもあります。
他の選択肢を確認します。日月は胆の募穴(第7肋間、前正中線の外方4寸)、中脘は胃の募穴であり八会穴の腑会(臍中央の上方4寸)、京門は腎の募穴(側腹部、第12肋骨端下縁)です。いずれも肝と脾の組合せにはなりません。
なお、期門や章門など肋骨部の取穴では、深刺による内臓損傷や気胸に注意し、斜刺や浅い刺入とするなどの配慮が必要です。
選択肢の確認
1.期門-章門
正しい。肝の募穴と脾の募穴の組合せです。
2.日月-期門
誤り。胆と肝の募穴であり、脾が含まれません。
3.中脘-章門
誤り。胃と脾の募穴であり、肝が含まれません。
4.京門-章門
誤り。腎と脾の募穴であり、肝が含まれません。
覚えるポイント
- 募穴=肝は期門、胆は日月、脾は章門、胃は中脘、腎は京門、心は巨闕、肺は中府、大腸は天枢、小腸は関元、膀胱は中極、心包は膻中、三焦は石門。
- ストレスによる便通異常=肝気乗脾(肝脾不和)。方針は疏肝健脾。
- 肋骨部の取穴では深刺による気胸・内臓損傷に注意。