27PM129|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、身体診察でみられる可能性が最も高いのはどれか。「54歳の男性。半年前から右肩関節の疼痛が出現した。最近では疼痛は幾分軽減したが運動制限が顕著となった。ADLでは衣服の着脱が不自由であり、結帯動作の制限がある。医療機関で肩関節周囲炎と診断されている。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
**肩関節周囲炎の拘縮期(凍結期)**の身体所見を問う症例問題です。痛みが軽減して可動域制限が前面に出たという経過が鍵です。
解説
54歳の男性で、半年前から右肩関節の疼痛が出現し、最近では疼痛が幾分軽減したが運動制限が顕著となり、衣服の着脱が不自由で結帯動作に制限があります。医療機関で肩関節周囲炎と診断されています。
肩関節周囲炎は、疼痛期(炎症期)→拘縮期(凍結期)→回復期という経過をたどります。本症例は、痛みが軽減し可動域制限が主体となっていることから拘縮期にあたります。拘縮期では、関節包の肥厚と癒着により、あらゆる方向の可動域が制限されます。結帯動作の制限は内旋と伸展の制限を示します。
**エンドフィール(最終域感)**は、他動的に関節を動かして可動域の最終点で感じる抵抗感です。拘縮期では関節包性の硬い抵抗が明瞭に感じられ、**エンドフィールが明瞭(硬く、はっきりした抵抗)**となります。したがって正答は4です。
ドロップアームサインは、他動的に外転90度に挙上した上肢を保持できずに落下する所見で、**腱板断裂(特に棘上筋断裂)**を示します。肩関節周囲炎に特徴的な所見ではありません。
ルーステストは、両上肢を挙上外旋位に保ち手指の開閉を3分間繰り返す検査で、胸郭出口症候群を評価します。
肩甲上腕リズムは、通常、肩関節の外転において肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節が約2対1の割合で動く協調運動です。肩関節周囲炎では肩甲上腕関節の動きが制限されるため、肩甲骨の代償的な動きが大きくなり、このリズムは破綻します。正常とはなりません。
施術では、拘縮期には関節可動域訓練と温熱、周囲筋の緊張緩和を組み合わせ、疼痛期には安静と鎮痛を優先するなど、病期に応じた対応が必要です。
選択肢の確認
1.ドロップアームサイン陽性
誤り。腱板断裂を示す所見です。
2.ルーステスト陽性
誤り。胸郭出口症候群を評価する検査です。
3.肩甲上腕リズム正常
誤り。肩甲上腕関節の制限により代償が起こり、リズムは破綻します。
4.エンドフィール明瞭
正しい。関節包性の拘縮により硬い最終域感が明瞭となります。
覚えるポイント
- 肩関節周囲炎=疼痛期→拘縮期→回復期。拘縮期は可動域制限が主体。
- 結帯動作=内旋と伸展、結髪動作=外転と外旋の評価。
- ドロップアームサイン=腱板断裂、ルーステスト=胸郭出口症候群。