27PM136|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「18歳の男性。昨日雨に濡れ、その夜から悪寒、発熱、後頭部痛が出現した。脈は浮緊、舌は淡紅で薄白苔。咳、痰、鼻水はない。」本症例に対する治療方針として適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
風寒表実証に対する治療方針を問う問題です。邪がどこにあるかで、どう追い出すかが決まります。
解説
前問と同じ症例で、**風寒の邪が体表(表)にとどまり、腠理が閉じて汗が出ない実証(風寒表実証)**と判断されました。
邪が表にあるときの原則は、「其の表に在る者は、これを汗して発す」、すなわち発汗によって邪を体表から追い出すことです。閉じた腠理を開き、汗とともに寒邪を発散させます。これを**辛温解表(表を開き発散させる)**といい、設問の「表を開き発散させる」が治療方針として正答となります。
具体的な取穴としては、大椎、風門、風池、列欠、合谷などを用い、瀉法や刺絡、灸を併用して発汗を促す方法がとられます。とくに背部の風門は、風邪の出入り口とされ、風寒の侵入を防ぎ、また追い出す目的で用いられます。
他の選択肢を確認します。
宣散作用を調節するのは、肺の宣発粛降の失調、たとえば咳や喘、痰といった肺の症状が前面に出ている場合の方針です。本症例には咳も痰もありません。
経脈を疏通するのは、経脈の気血の滞りによる痛みやしびれ、麻痺などに対する方針です。後頭部痛はありますが、悪寒発熱を伴う表証に対しては、まず表邪を発散させることが優先されます。
温めて補うのは、陽虚や虚寒の病態に対する方針(温陽・温補)です。本症例は邪が実している実証であり、虚を補う段階ではありません。誤って補法を主体にすると、邪を体内に閉じ込めることになりかねません。
選択肢の確認
1.宣散作用を調節する。
誤り。咳や喘など肺の宣発失調が前面に出た場合の方針です。
2.経脈を疏通する。
誤り。気血の滞りによる痛みやしびれに対する方針です。
3.温めて補う。
誤り。虚寒に対する方針であり、実証には適しません。
4.表を開き発散させる。
正しい。風寒表実証に対する辛温解表の方針です。
覚えるポイント
- 表証の原則=発汗によって邪を追い出す(解表)。寒には辛温解表、熱には辛涼解表。
- 取穴=大椎、風門、風池、列欠、合谷など。
- 実証に補法を主体にしない。邪を閉じ込めないことが重要。