27PM138|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「63歳の女性。主訴は尿もれ。咳をしたり、重い荷物を持ったりすると尿がもれる。腰背部がだるく、足が冷える。舌は淡で歯痕、脈は沈細。」本症例の病証に対し、難経六十九難による鍼治療で使用するのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
証を決め、難経六十九難の原則に当てはめる問題です。前問と同じ症例で、今度は東洋医学的な選穴を問われます。
解説
63歳の女性で、尿もれに加えて、腰背部のだるさ、足の冷えがあり、舌は淡で歯痕、脈は沈細です。
まず証を決めます。腰は腎の府であり、腰背部のだるさと足の冷え、沈細の脈は腎気虚(腎陽の不足を伴う)を示します。尿の禁制は腎の固摂作用によって保たれており、腎気が虚すと尿失禁や頻尿、夜間尿が生じます。舌が淡で歯痕があることから脾の虚も伴いますが、腰と足の症状、沈細脈から、中心となる臓は腎と判断します。
次に難経六十九難を当てはめます。原則は「虚するものはその母を補い、実するものはその子を瀉す」です。腎は水に属し、**水を生じる母は金(肺)**です。したがって、**肺経の本穴(金穴)または腎経の母穴(金穴)**を補います。
選択肢の経穴を確認します。経渠は手の太陰肺経の経金穴であり、肺経における**本穴(自経の五行と同じ性質をもつ穴)**です。腎虚に対して母である肺経の本穴を補うという六十九難の選穴に合致し、正答は3です。
他の選択肢を確認します。大都は足の太陰脾経の滎火穴で、脾虚のときに補う母穴です。太白は脾経の兪土穴で原穴、脾経の本穴にあたります。曲泉は足の厥陰肝経の合水穴で、肝虚のときに補う母穴です。いずれも腎虚に対する六十九難の選穴にはなりません。
選択肢の確認
1.大都
誤り。脾経の滎火穴で、脾虚に対する母穴です。
2.太白
誤り。脾経の兪土穴かつ原穴で、脾経の本穴です。
3.経渠
正しい。肺経の経金穴(本穴)であり、腎虚に対して母を補う選穴です。
4.曲泉
誤り。肝経の合水穴で、肝虚に対する母穴です。
覚えるポイント
- 難経六十九難=虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す。
- 腎(水)の母は肺(金)。腎虚なら肺経の本穴である経渠、または腎経の金穴である復溜を補う。
- 腰は腎の府。腰のだるさ、足の冷え、沈細脈は腎虚を示す。