27PM140|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「78歳の女性。主訴は疲労感。最近、疲れやすく、動くのが面倒になった。意欲が低下し、食欲も減退している。病院ではサルコペニアと言われた。」本症例の病証で最もみられる脈状はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
サルコペニアの症例を東洋医学的にとらえ、対応する脈状を選ぶ問題です。虚証にふさわしい脈を考えます。
解説
78歳の女性で、疲れやすい、動くのが面倒、意欲低下、食欲減退という所見です。
東洋医学的には、これらは気虚、とくに脾気虚を中心とした気血の不足としてとらえられます。脾は運化を主り、気血生化の源であるため、脾気が虚すと飲食物から気血を十分につくれず、食欲不振、倦怠感、意欲低下、四肢の無力が生じます。脾は肌肉を主るため、筋肉の痩せや力の低下とも直接結びつきます。また高齢であることから腎気の衰えも背景にあります。
こうした虚証に対応する脈状は、緩脈です。緩脈は、脈拍がゆるやかで、緊張がなく、力に乏しい脈で、脾胃の虚や湿を示します。したがって正答は3です。虚証では他に、細脈(細く弱い)、弱脈、虚脈、沈脈などもみられます。
他の選択肢を確認します。
滑脈は、玉が転がるように滑らかで力のある脈で、痰湿、食滞、実熱、妊娠を示します。実の要素を示す脈であり、虚労の状態とは合いません。
結脈は、ゆるやかで不規則に止まる脈で、陰盛気結、寒痰、瘀血、心陽不足を示します。
弦脈は、張った弦を押さえるような脈で、肝胆の病、気滞、疼痛、痰飲を示します。
脈状は、証を裏づける重要な情報です。**症状(倦怠感、食欲不振)、舌(淡)、脈(緩・細)**が同じ方向を指しているかを確認する習慣をつけると、弁証の精度が上がります。
選択肢の確認
1.滑脈
誤り。痰湿、食滞、実熱、妊娠を示します。
2.結脈
誤り。陰盛気結や心陽不足などを示します。
3.緩脈
正しい。ゆるやかで力がなく、脾胃の虚を示します。
4.弦脈
誤り。肝胆の病や気滞、疼痛を示します。
覚えるポイント
- 脾気虚=倦怠感、食欲不振、意欲低下、四肢の無力、肌肉の痩せ。
- 虚証の脈=緩、細、弱、虚、沈。
- 滑=痰湿・食滞・妊娠、弦=肝胆・気滞・疼痛、結=陰盛気結・心陽不足。