27PM160|第27回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
足三里へ多壮灸をした後、患者がすぐに全身倦怠感を訴えた。この原因を説明するのに適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
局所への刺激が全身反応を起こす現象の名称を問う問題です。用語の定義を正確に区別します。
解説
レイリー現象は、フランスの生理学者レイリーが提唱した考え方で、種類を問わないさまざまな刺激(非特異的刺激)が自律神経系に加わると、刺激の部位や種類にかかわらず、共通した血管運動性の障害や機能変化が全身に生じるというものです。刺激と反応の間に特異的な対応関係がないことが特徴です。
設問では、足三里への多壮灸(壮数の多い施灸)の直後に、患者が全身倦怠感を訴えています。これは、局所への過剰な温熱刺激が自律神経系を介して全身反応を引き起こしたものであり、いわゆる灸あたりの状態です。その機序を説明する概念として最も適切なのがレイリー現象であり、正答は3です。対応としては、安静と保温、水分補給を行い、次回以降は壮数や艾炷の大きさを減らします。
他の選択肢を確認します。
サイバネティックスは、ウィーナーが提唱した、生物と機械に共通する制御と通信の理論です。フィードバック制御の考え方を扱うもので、生体の恒常性を説明する枠組みとして引用されますが、本問の現象の説明ではありません。
ストレス学説は、セリエが提唱した理論で、さまざまな有害刺激(ストレッサー)に対して生体が示す共通の反応を汎適応症候群とし、警告反応期、抵抗期、疲憊期の3期に分けます。副腎皮質の肥大、胸腺・リンパ組織の萎縮、胃・十二指腸の潰瘍という三徴が知られます。長期的な適応の過程を説明する理論であり、施灸直後の急性反応の説明としては、レイリー現象の方が適切です。
圧自律神経反射は、身体の一側に持続的な圧迫を加えると、圧迫側で発汗が抑制され反対側で発汗が増すなど、自律神経の活動に左右差が生じる反射です。全身倦怠感の説明にはなりません。
選択肢の確認
1.サイバネティックス
誤り。制御と通信に関する理論であり、この現象の説明ではありません。
2.ストレス学説
誤り。汎適応症候群として長期の適応過程を説明する理論です。
3.レイリー現象
正しい。非特異的刺激が自律神経系を介して全身反応を起こす現象です。
4.圧自律神経反射
誤り。持続的圧迫による自律神経活動の左右差を示す反射です。
覚えるポイント
- レイリー現象=非特異的な刺激が自律神経系を介して共通の全身反応を起こす。灸あたりの説明に用いる。
- ストレス学説(セリエ)=汎適応症候群、警告反応期・抵抗期・疲憊期。
- 灸あたりの対応=安静、保温、水分補給、次回の刺激量を減らす。