28PM138|第28回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第28回午後(科目未分類)
「26歳の男性。主訴は腹痛と下痢。IT企業でストレスの多い仕事に従事している。1日数回排便する。器質的な病変はない。」本症例の病証として最も適切なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
ストレスに関連した消化器症状を、東洋医学の病証で判断する問題です。
26歳男性、ストレスの多い仕事、腹痛と下痢、器質的病変なし、という手がかりから弁証します。
解説
精神的ストレスは、東洋医学では肝の疏泄機能を失調させます。肝気が伸びやかにめぐらなくなる(肝気鬱結)と、その影響が脾に及び、脾の運化が妨げられます。これを肝脾不和(肝気犯脾、肝木乗脾)といいます。
肝脾不和では、ストレスや情緒の変化に伴って腹痛が起こり、便通が乱れて下痢をきたす、という経過をとります。排便によって腹痛が軽減することが多いのも特徴です。この症例の経過とよく一致します。
脾気虚では、食後の腹満、食欲不振、倦怠感、軟便が中心で、ストレスとの関連が強く前面に出る形ではありません。
脾腎陽虚では、明け方の下痢(五更泄瀉)、冷え、腰膝の冷えとだるさが特徴となります。
腎気虚では、腰膝のだるさ、頻尿や夜間尿、耳鳴りなどが中心となります。
選択肢の確認
1.脾気虚
誤り。倦怠感や食欲不振が中心で、ストレスとの関連が中心の病証ではありません。
2.脾腎陽虚
誤り。明け方の下痢や強い冷えを伴う病証です。
3.肝脾不和
正しい。ストレスにより肝の疏泄が失調し、脾の運化が乱れて腹痛と下痢を生じます。
4.腎気虚
誤り。腰膝のだるさや排尿の異常が中心となります。
覚えるポイント
- 肝脾不和=ストレスで腹痛と下痢、排便で腹痛が軽減する。
- 肝は疏泄を主る。情志の失調はまず肝に影響する。
- 五更泄瀉(明け方の下痢)は脾腎陽虚の特徴。
- 現代医学の診断名と東洋医学の病証は別の枠組みで考える。