29PM135第29回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第29回午後(科目未分類)

次の文で示す症例の神経絞扼部に対する刺鍼部位として最も適切なのはどれか。「28歳の女性。職業は鍼灸師。回外位で左前腕にカバンを引っかけて持つことが多く、内側上顆から肘窩内側縁に沿った張り感とともに左手掌橈側にしびれを自覚する。最近、左手で艾を捻ることが困難である。」

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

正中神経の絞扼部位を、症状の分布と発症状況から特定する問題です。

28歳女性、回外位で前腕にカバンを引っかける習慣、内側上顆から肘窩内側縁に沿った張り感、左手掌橈側のしびれ、母指を使う細かい動作の困難、という所見を統合します。

解説

手掌の橈側のしびれは正中神経の障害を示します。しびれの範囲が手掌に及び、かつ症状の中心が上腕骨内側上顆から肘窩内側にあることから、絞扼部位は手関節ではなく前腕近位部と考えられます。

正中神経は、上腕骨内側上顆から起こる円回内筋の二頭の間を通り抜けます。前腕の回内・回外を繰り返したり、この部に持続的な圧迫が加わったりすると、ここで正中神経が絞扼されます。これが円回内筋症候群です。手根管症候群と異なり、手掌の知覚枝も障害されるため手掌にしびれが及ぶ点が鑑別点になります。

刺鍼部位としては、孔最と少海の間が適切です。少海は肘窩横紋の内側端(上腕骨内側上顆の前)、孔最は前腕前外側で尺沢と太淵を結ぶ線上にあり、この二穴を結ぶ範囲が円回内筋の走行に相当します。

選択肢の確認

1.孔最と少海の間
正しい。円回内筋の走行にあたり、正中神経の絞扼部位に相当します。

2.曲池と曲沢の間
誤り。曲池は肘の外側であり、円回内筋の走行とは異なります。

3.間使と大陵の間
誤り。前腕遠位から手関節部で、手根管症候群を想定した部位です。

4.手三里と支正の間
誤り。前腕の外側から後内側にあたり、正中神経の走行ではありません。

覚えるポイント

  • 円回内筋症候群=前腕近位での正中神経絞扼、手掌にもしびれが及ぶ
  • 手根管症候群=手関節部での絞扼、手掌の知覚枝は比較的保たれる。
  • 円回内筋は上腕骨内側上顆から起こり、橈骨の外側面に停止する。
  • 症状の中心がどこにあるかで絞扼部位を推定する。
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