29PM143第29回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第29回午後(科目未分類)

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。「36歳の女性。主訴は咳嗽。せき込むと粘稠で白色の痰を多量に喀出する。緩解と増悪を繰り返しながら3年が経過している。子どもの頃から食が細く、痩せている。舌は淡、白膩苔、脈は滑を認める。」

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

痰湿による咳嗽の治療方針を選ぶ問題です。

36歳女性、粘稠で白色の痰を多量に喀出、3年にわたる慢性の経過、子どもの頃から食が細く痩せている、舌は淡で白膩苔、脈は滑、という所見を統合します。

解説

白色で粘稠な痰が多量に出て、白膩苔滑脈がみられることは、体内に痰湿が停滞していることを示します。

さらに、子どもの頃から食が細く痩せていること、舌が淡いことは、脾気虚を示します。脾の運化が弱いと、水湿が停滞して痰となります。「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」といわれるとおり、痰の生成の根本は脾にあり、それが肺にたまって咳と痰を生じます。

したがって、治療方針は表面の痰を除くだけでなく、根本である脾の運化を高めることになります。これにより痰の生成そのものを抑えられます。

風寒の邪を取り除くのは急性の外感に対する方針で、3年にわたる慢性の経過とは合いません。瘀血は刺痛や舌の紫暗などを伴う病証で、この症例の所見にはありません。肺陰を補うのは乾いた咳と粘りの少ない痰、舌紅少苔の場合であり、白膩苔とは合いません。

選択肢の確認

1.風寒の邪を取り除く。
誤り。急性の外感に対する方針であり、慢性の経過には合いません。

2.瘀血を取り除く。
誤り。刺痛や舌の紫暗などの所見がありません。

3.肺陰を補う。
誤り。乾咳と少ない痰、舌紅少苔の場合の方針です。

4.運化を高める。
正しい。脾の運化を高めることで痰の生成を抑えます。

覚えるポイント

  • 脾は生痰の源、肺は貯痰の器。痰の根本は脾にある。
  • 痰湿の所見=白色で粘稠な痰、膩苔滑脈、身体の重だるさ。
  • 脾気虚=食が細い、倦怠感、軟便、舌淡、脈弱。
  • 治療は痰を除く(治標)と脾を健やかにする(治本)を組み合わせる。
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