29PM145|第29回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第29回午後(科目未分類)
次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。「43歳の男性。主訴は咳嗽。仕事が忙しくなると発作的にせき込む。痰が切れにくく、咽頭部に違和感があり、胸脇部が張る。舌は紅、脈は弦数を認める。」
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
肝火犯肺の病証を読み取り、治療方針を選ぶ問題です。
43歳男性、仕事が忙しくなると発作的な咳、痰が切れにくい、咽頭部の違和感、胸脇部の張り、舌は紅、脈は弦数、という所見を統合します。
解説
胸脇部が張ることと脈が弦であることは、肝の気の停滞(肝気鬱結)を示します。仕事が忙しくなると悪化するという経過も、情志が肝に影響していることを裏づけます。
さらに、舌が紅く脈が数であることは熱の存在を示し、気滞が長引いて熱化した肝火の状態と考えられます。
その火が上に燃え上がって肺を犯すと、肺の粛降が失調して発作的な咳が生じ、痰が切れにくくなります。咽頭部の違和感も気の停滞に伴う所見(梅核気に類する)です。これが**肝火犯肺(木火刑金)**です。
したがって治療方針は、病の本である肝火を抑えることになります。太衝、行間、陽陵泉などを瀉し、あわせて肺を調えます。
腎陰を補うのは腎陰虚、肺気を補うのは肺気虚、痰濁を除くのは痰湿が主体の病証に対する方針であり、この症例の中心ではありません。
選択肢の確認
1.腎陰を補う。
誤り。腰膝のだるさや耳鳴りを伴う病証に対する方針です。
2.肺気を補う。
誤り。息切れや易感冒を伴う虚証に対する方針です。
3.肝火を抑える。
正しい。胸脇の張り、弦数脈、発作的な咳から肝火犯肺と判断されます。
4.痰濁を除く。
誤り。多量の痰と膩苔を伴う病証に対する方針です。
覚えるポイント
- 肝火犯肺(木火刑金)=肝の火が肺を犯し、発作的な咳を生じる。
- 肝の所見=胸脇の張り、いらだち、弦脈、ストレスで悪化。
- 熱の所見=舌質紅、数脈、黄苔。
- 治療は肝火を瀉し、肺を調える(太衝、行間、尺沢、肺兪など)。