29PM152|第29回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第29回午後(科目未分類)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の女性。主訴は倦怠感。1か月前より強くなった。寒がりで、動作が緩慢である。食欲低下、便秘、月経過多、徐脈を認める。」病証として最も適切なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
冷えと消化機能の低下を示す症例の弁証を問う問題です。
45歳女性、倦怠感、寒がり、動作緩慢、食欲低下、便秘、月経過多、徐脈、という所見を東洋医学の枠組みで整理します。
解説
寒がりと動作が緩慢であることは、身体を温め動かす陽気の不足を示します。食欲低下は脾の運化の低下を示し、倦怠感は気虚の代表的な症状です。月経過多は、脾の統血作用が弱まって血を脈内にとどめられないことで説明されます。
これらをまとめると、脾の陽気が不足した脾陽虚の病証と考えられます。脾陽虚では、脾気虚の症状(倦怠感、食欲不振、軟便)に加えて、冷え、腹部の冷痛、温めると楽になるといった寒の所見が加わります。腸の動きが弱まることで便通が滞ることもあります。
腎陰虚では、ほてり、盗汗、舌紅、脈細数といった熱の所見が中心となり、寒がりとは相反します。
胃気虚では食欲不振や胃のつかえが中心となり、全身の冷えや月経過多までは説明しにくくなります。
風寒犯肺は外感の表証で、悪寒発熱、鼻閉、咳嗽が中心であり、慢性の経過とは合いません。
選択肢の確認
1.腎陰虚
誤り。ほてりや盗汗など熱の所見が中心となり、寒がりとは相反します。
2.胃気虚
誤り。食欲不振が中心で、全身の冷えや月経過多は説明しにくくなります。
3.脾陽虚
正しい。冷え、倦怠感、食欲低下、月経過多(統血の失調)から判断されます。
4.風寒犯肺
誤り。急性の外感表証であり、この慢性の経過とは異なります。
覚えるポイント
- 脾陽虚=脾気虚の症状+冷え。腹部の冷痛、温めると軽減。
- 脾は統血を主る。統血の失調で月経過多や皮下出血が生じる。
- 陽虚の共通所見=寒がり、四肢の冷え、舌淡、脈遅または弱。
- 現代医学の診断名と東洋医学の病証は別の枠組みで考える。