29PM158|第29回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第29回午後(科目未分類)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「54歳の男性。数日前から左耳に痛みがあり、しばらくしてから外耳道に水疱が出現した。同側の表情筋の麻痺と聴力の低下を伴っている。」罹患筋を広範囲に刺激するのに最も適切な治療穴はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
顔面神経麻痺で罹患する筋を広範囲に刺激するという条件から、経穴を選ぶ問題です。
個々の表情筋ではなく、それらをまとめて支配する神経の本幹に注目します。
解説
顔面神経は、頭蓋底の茎乳突孔から頭蓋外に出た後、耳下腺の中で扇状に枝分かれし、多数の表情筋を支配します。
したがって、罹患筋である表情筋を広範囲に刺激するには、枝分かれする前の神経の本幹に近い部位を選ぶのが効率的です。
翳風は手の少陽三焦経の経穴で、耳垂の後方、乳様突起下端の前方の陥凹部に取ります。この位置は茎乳突孔の近くにあたり、顔面神経の本幹に最も近い経穴です。したがって最も適切な治療穴となります。
糸竹空は三焦経の経穴で眉毛の外端にあり、眼輪筋など目の周囲に限られます。巨髎は胃経の経穴で瞳孔の直下、鼻翼下縁の高さにあり、口の周囲の一部に対応します。顴髎は小腸経の経穴で頬骨下方にあり、頬の一部に対応します。いずれも局所的な刺激にとどまります。
選択肢の確認
1.糸竹空
誤り。眉毛外端にあり、目の周囲の筋に限られます。
2.巨髎
誤り。鼻翼下縁の高さにあり、口周囲の一部に対応します。
3.顴髎
誤り。頬骨下方にあり、頬の一部に対応します。
4.翳風
正しい。茎乳突孔の近くにあり、顔面神経の本幹に近いため、表情筋を広範囲に刺激できます。
覚えるポイント
- 翳風=耳垂の後方、乳様突起下端の前方。顔面神経本幹に近い。
- 顔面神経は茎乳突孔から出て耳下腺内で分枝する。
- 表情筋を個別に狙うなら、額は陽白、目は攢竹や糸竹空、口は地倉や頬車。
- 顔面部への刺鍼は浅刺とし、深部の血管や神経に配慮する。