30AM85|第30回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第30回午前(科目未分類)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」診察所見で適切なのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
腱板断裂を推定し、診察所見を選ぶ問題です。
70歳男性、上肢を伸ばした動作での肩峰部の激痛、他動的に外転させても自力で外転位を保持できない、という所見に注目します。
解説
他動的に肩関節を外転位まで持ち上げても、自力でその位置を保てずに腕が落ちてしまう現象をドロップアームサイン(ドロップアームテスト陽性)といい、腱板断裂、特に棘上筋腱の断裂を強く示唆します。この症例の記述はまさにこれにあたるため、正答となります。
腱板断裂は中高年に多く、加齢による腱の変性を背景に、軽微な外力でも生じます。安静時痛や夜間痛、外転筋力の低下がみられます。
ペインフルアークサインは、外転の途中(およそ60度から120度)で痛みが生じ、それを越えると痛みが軽くなる所見で、腱板の損傷や肩峰下滑液包炎を示唆します。ただし、この症例のように外転位を保持できない状態では、有痛弧の判定より前にドロップアームサインが問題になります。
内旋筋力は肩甲下筋、内転筋力は大胸筋や広背筋などが担い、この症例で障害されている外転の機能とは異なります。
選択肢の確認
1.ドロップアームテスト陽性
正しい。外転位を保持できず腕が落ちる所見で、腱板断裂を示唆します。
2.ペインフルアークサイン陽性
誤り。有痛弧の所見であり、この症例の記述はドロップアームサインに該当します。
3.肩関節内旋筋力低下
誤り。障害されているのは外転の機能です。
4.肩関節内転筋力低下
誤り。内転筋は関与していません。
覚えるポイント
- ドロップアームサイン=腱板断裂(特に棘上筋腱)を示唆。
- 腱板=棘上筋(外転)、棘下筋・小円筋(外旋)、肩甲下筋(内旋)。
- 腱板断裂は中高年に多く、夜間痛と外転筋力低下が特徴。
- ペインフルアークサインは外転60度から120度の有痛弧。