30PM159第30回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第30回午後(科目未分類)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。「60歳の男性。主訴は足のむくみ。近医で乏尿ではないが、尿量が少ないと指摘された。残尿感はない。下痢しやすい。舌は胖嫩、歯痕、白厚膩苔、脈は滑を認める。」治療すべき臓腑はどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

水湿の停滞を読み取り、治療すべき臓腑を判断する問題です。

60歳男性、足のむくみ、尿量が少ない、残尿感はない、下痢しやすい、舌は胖嫩で歯痕、白厚膩苔、脈は滑、という所見を統合します。

解説

舌が胖嫩(腫れぼったく柔らかい)で歯痕があることは、水湿が停滞して舌がむくみ、歯に押されて痕がついた状態を示します。白厚膩苔滑脈も、痰湿の停滞を示す代表的な所見です。

下痢しやすいことは脾の運化の低下を示し、足のむくみ尿量の減少も、水液の運搬と代謝が滞っていることを示します。

水湿の運化を担うのはであり、「湿は脾を困らす」といわれるとおり、脾の失調と水湿の停滞は互いに影響します。したがって治療すべき臓腑は脾です。陰陵泉、足三里、脾兪、三陰交、公孫などを用い、健脾利湿を図ります。

の失調では動悸、不眠、精神症状が中心となります。

の失調ではいらだち、胸脇の張り、脈弦が中心となります。

膀胱の失調では、排尿時痛や残尿感、頻尿が中心となりますが、この症例には残尿感がなく該当しません。

選択肢の確認

1.脾
正しい。運化の失調により水湿が停滞し、むくみと下痢を生じています。

2.心
誤り。動悸や不眠、精神症状が中心となります。

3.肝
誤り。いらだちや胸脇の張りが中心となります。

4.膀胱
誤り。排尿時痛や残尿感が中心となりますが、この症例にはありません。

覚えるポイント

  • 脾は運化を主り、水湿の代謝に関わる。「湿は脾を困らす」。
  • 水湿停滞の所見=浮腫、下痢、身体の重だるさ、舌胖嫩と歯痕、膩苔、滑脈
  • 治療=健脾利湿(陰陵泉、足三里、脾兪、三陰交)。
  • 水液代謝には肺(通調水道)、脾(運化)、腎(主水)が協調して関わる。
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