31PM135|第31回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第31回午後(科目未分類)
次の文で示す症例で将来起こりうる徴候はどれか。「生後 6か月の乳児。仰臥位で寝かせたときに右の大腿皮膚溝が左と比べて数が多く、深く、長い。右股関節の開排制限もある。」
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
発育性股関節形成不全を推定し、将来みられうる徴候を選ぶ問題です。
生後6か月の乳児、右の大腿皮膚溝の左右差、右股関節の開排制限、という所見に注目します。
解説
大腿の皮膚のしわ(皮膚溝)の左右差と股関節の開排制限は、**発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)**を疑う代表的な所見です。女児に多く、乳児健康診査で発見されることが多い疾患です。
脱臼が続くと、患側の大腿骨頭が上方へ移動するため、見かけ上の大腿が短くなります。仰臥位で股関節と膝関節を屈曲させて左右の膝の高さを比べると、患側の膝が低くなります。これが**アリス徴候(ガレアッチ徴候)**であり、将来起こりうる徴候として正答です。歩き始めると、患側の中殿筋が働きにくくなりトレンデレンブルグ徴候や跛行もみられます。
**ガワーズ徴候(登はん性起立)**は、床から立ち上がるときに自分の体をよじ登るようにして立つ動作で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど近位筋の筋力低下でみられます。
レルミット徴候は、頸部を前屈させると背中から下肢へ電撃様の感覚が走る所見で、多発性硬化症や頸髄の病変でみられます。
ロンベルグ徴候は、閉眼で立位の動揺が強まる所見で、深部感覚障害を示します。
選択肢の確認
1.アリス徴候
正しい。大腿の見かけの短縮により、左右の膝の高さに差が生じます。
2.ガワーズ徴候
誤り。近位筋の筋力低下でみられる立ち上がり方です。
3.レルミット徴候
誤り。頸髄病変や多発性硬化症でみられます。
4.ロンベルグ徴候
誤り。深部感覚障害を示す所見です。
覚えるポイント
- 発育性股関節形成不全=女児に多い、開排制限、皮膚溝の左右差、アリス徴候。
- 乳児では超音波検査が有用(放射線被曝がない)。
- 歩行開始後はトレンデレンブルグ徴候と跛行がみられる。
- 早期発見と早期治療が予後を左右する。