31PM156|第31回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「47 歳の女性。主訴は左顔面の麻痺。 2 週間前に腹痛、下腿前面の痛みとともに発症。現在は下腿内側の重だるさ、軟便を伴う。」発症から4 か月後、口輪筋を収縮させると左の眼輪筋も収縮する病的共同運動が出現した。両筋に対して 30 mm のステンレス鍼で鍼通電療法を行う場合、最も適切なのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
顔面部への鍼通電療法の安全な行い方を問う問題です。
刺鍼部位の特性を踏まえて、鍼の太さ、刺入深度、通電条件を考えます。
解説
顔面部は皮膚と皮下組織が薄く、表情筋も薄い層をなしています。また、血管や神経が浅い層を走行しています。したがって、細い鍼を用いて浅く刺入することが基本です。20号鍼は鍼体径0.20ミリメートルの細い鍼を指し、顔面部への刺鍼に適します。したがってこれが正答です。
鍼体をすべて刺入することは適切ではありません。顔面部では筋層が薄く、深く刺す必要がないうえ、深部の組織を傷つける危険があります。また、鍼体を根元まで刺入することは、折鍼が起きた際に取り出せなくなるため、どの部位でも避けるべき基本原則です。
周波数については、目的に応じて選びます。この症例のような病的共同運動に対しては、周波数だけでなく通電の仕方が重要になります。1ヘルツと決めつけられるものではありません。
両筋が同期的なリズムで収縮するように通電することは適切ではありません。病的共同運動は、口を動かすと目も一緒に動いてしまうという、本来別々に動くべき筋が同時に収縮する状態です。これを助長しないよう、両筋が同時に収縮しないような通電の仕方を選ぶ必要があります。
選択肢の確認
1.20 号鍼を用いる。
正しい。顔面部には細い鍼を用いて浅く刺入します。
2.鍼体はすべて刺入する。
誤り。折鍼時の危険もあり、根元までの刺入は避けます。
3.周波数は 1 Hz とする。
誤り。目的に応じて選ぶものであり、一律に決まるものではありません。
4.両筋が同期的リズムで収縮するように通電する。
誤り。病的共同運動を助長する恐れがあります。
覚えるポイント
- 顔面部への刺鍼=細い鍼で浅刺、血管と神経に配慮する。
- 鍼体を根元まで刺入しない(折鍼時に摘出できなくなる)。
- 鍼通電=ステンレス鍼、出力はゼロから徐々に、心臓を挟まない。
- 顔面神経麻痺の後遺症=病的共同運動、ワニの涙(過誤再生による)。