34Q45|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
慢性腎不全(chronic renal failure)の利用者の食材や調理方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2.レモンや香辛料を利用し、塩分を控えた味付けにする。
この問題のポイント
慢性腎不全の食事では、塩分、たんぱく質、エネルギー、カリウムなどを病期や検査値に応じて調整します。この問題では、塩分を減らしても食べやすくする調理上の工夫を選びます。
解説
腎機能が低下すると、体内の余分な水分やナトリウムを排泄しにくくなります。塩分の多い食事は、口渇による水分摂取の増加、浮腫、高血圧などにつながり、腎臓や心臓への負担を大きくする可能性があります。そのため、慢性腎不全では塩分を控えることが食事療法の基本の一つです。
塩分を減らすと味が物足りなく感じやすいため、レモンなどの酸味、香辛料、香味野菜などを活用すると、食塩を増やさずに味の変化をつけられます。ただし、市販の調味料や加工食品には食塩が多く含まれるものがあるため、表示を確認します。
たんぱく質の量は、腎機能、透析の有無、栄養状態などによって異なります。必要以上に肉や魚を増やしたり、介護福祉職の判断で制限したりせず、医師や管理栄養士の指示に従います。たんぱく質を調整する場合でも、エネルギー不足になると体内の筋肉が分解されやすいため、植物油などを活用して必要なエネルギーを確保することがあります。
カリウム制限が必要な人では、生野菜を多量に食べることが適さない場合があります。野菜を小さく切って水にさらす、ゆでこぼすなどの方法を用いることがありますが、これも検査値や指示に応じて行います。
介護実践でのポイント
「腎臓病だから全員同じ食事」ではありません。透析の有無、糖尿病などの合併症、低栄養、食欲、血液検査の結果を確認し、食事療法は医師や管理栄養士の指示に沿って支援します。
選択肢の確認
1.エネルギーの高い植物油を控える。
適切ではありません。
慢性腎不全では、たんぱく質を調整しながら必要なエネルギーを確保するため、植物油を活用することがあります。病状や体重を確認せず、一律に控えるのは適切ではありません。
2.レモンや香辛料を利用し、塩分を控えた味付けにする。
正答。最も適切です。
酸味や香辛料を利用すると、食塩を増やさずに風味をつけられます。塩分の過剰摂取による浮腫や高血圧などを予防するための工夫です。
3.肉や魚を多めにする。
適切ではありません。
肉や魚はたんぱく質を多く含みます。慢性腎不全では、病期によってたんぱく質量の調整が必要になるため、自己判断で多くすることはできません。
4.砂糖を控えた味付けにする。
適切ではありません。
糖尿病などがあれば糖質の調整が必要ですが、慢性腎不全だけを理由に砂糖を一律に控えることが中心的な対応ではありません。必要なエネルギーを確保する視点も必要です。
5.野菜は生でサラダにする。
適切ではありません。
腎機能や血液検査によってカリウム制限が必要な場合、生野菜はカリウムを多く摂取しやすくなります。ゆでこぼしなどの調理法を用いることがあり、一律に生で提供するのは適切ではありません。
覚えるポイント
慢性腎不全では、塩分を控え、酸味や香辛料で風味を補います。
たんぱく質、エネルギー、カリウムの調整は、病期や検査値によって異なります。
食事療法は介護福祉職が独断で決めず、医師・管理栄養士の指示に沿って支援します。