35Q113|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
介護福祉職が事例研究を行う目的として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.介護過程から介護実践を振り返ること
この問題のポイント
事例研究は、特定の利用者への介護実践を、介護過程に沿って客観的・系統的に振り返る取組です。
情報収集とアセスメント、生活課題の明確化、計画、実施、評価という一連の過程をたどり、判断や支援の根拠、支援による変化、今後の課題を明らかにします。
解説
事例研究では、一つの事例について記録や関係資料を整理し、「なぜこの課題を捉えたのか」「なぜこの目標と支援方法を選んだのか」「本人の生活にどのような変化が生じたのか」を検討します。
その中心となる枠組みが介護過程です。収集した情報を解釈し、本人の望む生活との関係から生活課題を明らかにし、目標と支援内容を設定します。実施後には結果と目標の達成度を評価し、適切でなかった点や新たに把握した情報を踏まえて計画を修正します。
事例研究は、特定の介護福祉職を査定したり、失敗を追及したりするためのものではありません。介護報酬や研究者自身の満足を得ることも目的ではありません。
ひっかけポイント
「事例研究」と、職員の人事評価や事業所運営上の確認を混同しないようにします。事業所の理念を踏まえることはありますが、中心は介護過程に沿って実際の支援と結果を振り返ることです。
介護実践でのポイント
事例を扱うときは、本人への説明と同意、匿名化、個人情報の適切な管理などの倫理的配慮が必要です。記録された事実と支援者の解釈を分け、個人を責めるのではなく、本人にとってよりよい支援へつなげます。
選択肢の確認
1.事業所の介護の理念の確認
誤りです。 事業所の理念は支援の基盤になりますが、その確認だけが事例研究の目的ではありません。個別事例の介護過程と実践結果を具体的に振り返ります。
2.介護福祉職の能力を調べること
誤りです。 特定の介護福祉職の能力を査定するためではなく、事例を客観的に分析して今後の介護へ生かします。
3.介護過程から介護実践を振り返ること
正しいです。 介護過程に沿って、情報の解釈、生活課題、目標、支援内容、実施結果、評価を振り返ることが基本的な目的です。
4.介護報酬の獲得
誤りです。 介護報酬は制度で定められたサービスの提供などに対して支払われるもので、事例研究を行う目的ではありません。
5.介護福祉職自身の満足度の充足
誤りです。 学びや達成感を得ることはありますが、それ自体が目的ではありません。介護実践を振り返り、よりよい支援へつなげることが中心です。
覚えるポイント
- 事例研究は、個別の介護実践を客観的・系統的に振り返る取組である。
- 情報収集、アセスメント、計画、実施、評価という介護過程を用いる。
- 支援を選んだ根拠と、利用者に生じた変化の両方を検討する。
- 本人への説明と同意、匿名化、個人情報の管理に配慮する。