35Q118第35回 介護福祉士国家試験 過去問

総合問題総合問題

次の事例を読んで,問題 117 から問題 119 までについて答えなさい。 〔事 例〕Bさん(75 歳,男性,要介護 3 )は, 1 年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し,右片麻痺がある。自宅では,家具や手すりにつかまって,なんとか自力歩行し,外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが,他者の話を聞き取って理解することは,問題なくできていて,介護保険サービスを利用しながら,一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり,在宅生活が難しくなったため, 1 週間前にU介護老人福祉施設に入所した。 入所時の面談でBさんは,自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では,C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は,カンファレンス(conference)での意見に基づいて,Bさんが,四点杖を使用して,安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。 C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 5

正答

5.「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。

この問題のポイント

Bさんは「うまく話すことができないこともある」一方で、他者の話を聞き取って理解することには問題がありません。聞こえや理解ではなく、言葉を表出する負担を軽くする方法を選びます。

解説

「はい」「いいえ」で答えられる質問は、長い文章や言葉を自分で組み立てなくても意思を表しやすい閉じた質問です。Bさんは話の内容を聞き取って理解できるため、「食堂まで歩きたいですか」「今、休みたいですか」のように、短く具体的に一つずつ尋ねる方法が適しています。

ただし、閉じた質問だけで答えを誘導してはいけません。質問の意味が伝わったことを確認し、返答を急がせず、十分に待ちます。必要に応じて二者択一、実物、写真、絵、文字、身ぶりなどを併用し、最後にBさんの意図と合っているかを確認します。

事例には難聴や聴覚障害の情報がないため、補聴器、大声、手話を選ぶ根拠はありません。また、五十音表は仮名を一文字ずつ選んで言葉を構成する負担が大きく、誰にでも直ちに適する方法ではありません。

ひっかけポイント

「話しにくい」と「聞こえない」は同じではありません。Bさんは他者の話を聞き取り、理解できています。大声や補聴器ではなく、答えを表出しやすくする質問方法が必要です。

介護実践でのポイント

一文を短くし、一度に一つの内容を尋ね、返答を待ちます。介護福祉職が先回りして答えず、表情、うなずき、指さしなども含めて本人の意思を受け止め、重要な内容は復唱して確認します。

選択肢の確認

1.補聴器を使用する。
誤りです。 補聴器は聴力低下を補う用具です。Bさんは他者の話を聞き取れており、難聴の情報もありません。

2.五十音表を使用する。
誤りです。 五十音表が有効な人もいますが、仮名を選んで言葉を構成する能力と負担を評価する必要があります。Bさんに適するという情報はありません。

3.手話を使う。
誤りです。 Bさんに聴覚障害がある、または手話を使用できるという情報はありません。

4.大きな声で話しかける。
誤りです。 Bさんは話を聞き取って理解できています。大声は表出の困難を補う方法ではなく、威圧感を与えることもあります。

5.「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
正しいです。 理解力を生かしながら発話の負担を減らし、Bさんが意思を表しやすくする方法です。

覚えるポイント

  • 聞き取り・理解が保たれ、発話が難しい人には、表出の負担を減らす。
  • 「はい」「いいえ」で答えられる短く具体的な質問を、一つずつ用いる。
  • 閉じた質問で誘導せず、待つ、補助手段を使う、本人の意図を確認する。

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