35Q17第35回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会社会の理解

発達障害のGさん(38 歳,男性)は,高校生の頃に不登校になり,ずっとアルバイトをしながら,統合失調症(schizophrenia)の母親(65 歳,精神保健福祉手帳 2 級)を介護してきた。母親に認知症(dementia)が疑われるようになったが,これからも二人で暮らし続けたいと考えたGさんは,相談支援事業所の介護福祉職に相談した。Gさんに対する介護福祉職の助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 1

正答

1.地域包括支援センターで,介護保険サービスの情報を得ることを勧める。

この問題のポイント

Gさんと母親は、これからも二人で暮らし続けることを希望しています。この希望を尊重しながら、認知症が疑われる65歳の母親が利用できる介護保険サービスや相談先につなぐことが重要です。

地域包括支援センターは、高齢者本人や家族からの相談を受け、介護保険、認知症、権利擁護、介護予防などについて必要な支援へつなぐ地域の総合相談窓口です。

解説

この事例では、母親に認知症が疑われるようになり、長年介護を担ってきたGさんが今後の生活について相談しています。支援の出発点は、「これからも二人で暮らしたい」という本人たちの希望を尊重し、在宅生活を継続するために利用できる支援を一緒に検討することです。

地域包括支援センターでは、母親の心身や生活の状態に応じて、介護保険の申請やサービスに関する相談、認知症に関する相談、医療機関や介護支援専門員との連携などを行います。訪問介護、通所介護、短期入所などを適切に組み合わせれば、母親の生活を支えると同時に、Gさんの介護負担を軽減できる可能性があります。

また、Gさん自身にも発達障害があり、長期間にわたって母親を介護してきました。母親だけでなく、Gさんの生活、健康、就労、介護負担、相談のしやすさも含めて世帯全体を支える視点が必要です。現在相談している相談支援事業所と地域包括支援センターが連携し、両者に必要な支援を調整することが望まれます。

ひっかけポイント

Gさんの発達障害や非正規雇用だけに注目すると、治療や就職を優先したくなります。しかし、本人が相談している中心的な課題は、認知症が疑われる母親と在宅生活を続けるための支援です。まず、その相談目的に対応できる窓口へつなぎます。

介護実践でのポイント

家族介護者から相談を受けたときは、介護を続けることを当然と考えず、負担感、睡眠、健康、仕事、緊急時の対応なども確認します。母親とGさんそれぞれの意思を丁寧に確かめ、訪問系サービス、通所系サービス、短期入所、見守りなどを組み合わせて、無理のない在宅生活を検討します。

選択肢の確認

1.地域包括支援センターで,介護保険サービスの情報を得ることを勧める。

正しいです。
地域包括支援センターは、高齢者と家族の総合相談窓口です。認知症が疑われる母親について、介護保険の申請や利用可能なサービス、医療・福祉との連携などを相談でき、二人が希望する在宅生活の継続に向けた支援につながります。

2.Gさんが正規に雇用されるように,ハローワークに相談に行くことを勧める。

誤りです。
Gさんの就労支援が必要になる可能性はありますが、正規雇用を目指すかどうかは本人の希望を踏まえて検討します。また、今回の相談の中心は、母親と暮らし続けるための介護支援です。就労を優先して勧めるだけでは、現在の課題への対応になりません。

3.Gさんの発達障害について,クリニックで適切な治療を受けることを勧める。

誤りです。
発達障害は、単純に医療機関で「治療すれば解決する」と捉えるものではありません。必要に応じた医療や福祉的支援は検討しますが、今回の相談は母親との在宅生活の継続に関するものです。Gさんの障害だけを問題にする対応は適切ではありません。

4.母親に,介護老人福祉施設を紹介する。

誤りです。
母親の要介護状態や施設入所の必要性は示されておらず、二人は在宅生活の継続を希望しています。本人たちの意向や生活状況を確認せずに、直ちに施設入所を勧めるのは適切ではありません。

5.母親に,精神科病院への入院を勧める。

誤りです。
母親には統合失調症がありますが、入院が必要な急性症状や危険な状態は示されていません。認知症が疑われるという理由だけで精神科病院への入院を勧めることも適切ではありません。必要に応じて医療機関への相談や受診を検討しながら、在宅生活を支える方法を考えます。

覚えるポイント

  • 地域包括支援センターは、高齢者と家族の総合相談窓口である。
  • 介護保険、認知症、介護予防、権利擁護などの相談に対応する。
  • 本人と家族が望む生活を支援の出発点にする。
  • 家族介護者の負担や健康状態にも目を向ける。
  • 一つの機関だけで抱えず、高齢者分野と障害者分野の支援機関が連携する。
  • 在宅生活の継続が困難だと決めつけて、施設入所や入院を先に勧めない。

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