35Q30|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
死が近づいているときの身体の変化として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.喘鳴
この問題のポイント
死が近づいたときにみられる変化と、死亡後に現れる変化を区別する問題です。
本問の「喘鳴」は、意識や嚥下・咳反射の低下によって気道分泌物がたまり、ゴロゴロ、ゼロゼロと聞こえる死前喘鳴を指します。
解説
死が近づくと、全身の機能が低下し、意識、呼吸、循環、体温調節、嚥下などに変化がみられます。呼吸は浅く不規則になり、無呼吸を挟むことがあります。また、嚥下反射や咳反射が弱くなると、唾液や気道分泌物を十分に排出できず、呼吸に合わせてゴロゴロ、ゼロゼロという音が聞こえることがあります。これを死前喘鳴といいます。
死前喘鳴は家族にとって苦しそうに聞こえることがありますが、その音だけで本人が強い苦痛を感じているとは限りません。呼吸状態、表情、意識、顔色などを観察し、体位調整や口腔内のケアを行い、看護職へ報告します。吸引や薬剤の使用は、本人の状態と医療職の判断・指示に基づいて行います。
瞳孔は死が近づくと反応が鈍くなり、散大することがあります。筋肉の硬直である死後硬直は、死亡した後に起こる変化です。発汗はさまざまな状態でみられますが、選択肢の中で死が近づいたときの特徴的な変化として最も適切なのは喘鳴です。
ひっかけポイント
「死が近づいたとき」と「死亡した後」を混同しないようにします。死前喘鳴は死亡前にみられますが、死後硬直は死亡後に現れます。
介護実践でのポイント
呼吸音が変化したときは、本人の表情、呼吸数、呼吸の深さ、意識、顔色を観察して報告します。家族には、音が生じる仕組みをわかりやすく説明し、不安を受け止めます。
選択肢の確認
1.瞳孔の縮小
適切ではありません。
死が近づくと、瞳孔の対光反射が低下し、瞳孔が散大することがあります。縮小が代表的な変化ではありません。
2.筋肉の硬直
適切ではありません。
筋肉の硬直である死後硬直は、死亡後に生じる死後変化です。「死が近づいているとき」にみられる変化とは区別します。
3.発汗
適切ではありません。
発汗は発熱、痛み、不安、自律神経の変化などさまざまな場面で起こり得ますが、死が近づいたときに特徴的な変化として本問で最も適切なものではありません。
4.結膜の充血
適切ではありません。
結膜の充血は、炎症、刺激、乾燥などでみられます。死が近づいたときの代表的な身体変化ではありません。
5.喘鳴
正答。最も適切です。
嚥下反射や咳反射が低下して気道分泌物がたまると、死前喘鳴と呼ばれるゴロゴロ、ゼロゼロという呼吸音が生じることがあります。
覚えるポイント
死が近づくと、呼吸は浅く不規則になり、無呼吸を挟むことがあります。
分泌物を排出しにくくなると、死前喘鳴が聞こえることがあります。
死前喘鳴の音だけで、本人が強い苦痛を感じていると決めつけません。
死後硬直は死亡後の変化であり、死が近づいているときの変化とは区別します。