35Q39第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次のうち、2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱の5つの柱に示されているものとして、適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.普及啓発・本人発信支援

この問題のポイント

2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱では、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進することが示されました。

大綱には5つの柱があり、その第1の柱が「普及啓発・本人発信支援」です。ほかの選択肢は認知症施策に関連する具体的な取組ですが、5つの柱の名称ではありません。

解説

2019年6月18日に取りまとめられた認知症施策推進大綱の5つの柱は、次のとおりです。

1.普及啓発・本人発信支援
2.予防
3.医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
4.認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
5.研究開発・産業促進・国際展開

「普及啓発・本人発信支援」では、認知症に関する正しい知識と理解を広めるだけでなく、認知症の人本人が自らの言葉で経験や希望を発信できるように支援することが重視されました。

大綱における「共生」とは、認知症の人が尊厳と希望をもって認知症とともに生き、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きることです。「予防」は、認知症に絶対にならないようにするという意味ではなく、発症を遅らせ、認知症になっても進行を緩やかにするという意味です。

なお、これは2019年の大綱について問う問題です。現在は、2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」と、同法に基づいて2024年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画が国の基本的な枠組みになっています。現行の基本計画では、基本法の7つの基本理念と12の基本的施策に基づいて取組を進めます。2019年大綱の「5つの柱」と混同しないことが重要です。

ひっかけポイント

選択肢には、実際に行われてきた認知症施策が並んでいます。しかし、問題が尋ねているのは個別の事業や数値目標ではなく、「5つの柱の名称」です。大綱に記載された見出しそのものを選びます。

介護実践でのポイント

「本人発信支援」は、家族や支援者が本人に代わって一方的に意見を述べることではありません。介護福祉職は、本人が理解しやすい情報を提供し、言葉、表情、身振りなどから意思をくみ取り、本人自身が希望や経験を表明できる機会を保障します。

選択肢の確認

1.市民後見人の活動推進への体制整備

誤りです。
市民後見人の育成や活動支援は、認知症の人を含む高齢者の権利擁護に関係する重要な取組です。しかし、2019年の認知症施策推進大綱に掲げられた5つの柱の名称ではありません。

2.普及啓発・本人発信支援

正しいです。
2019年の認知症施策推進大綱に掲げられた第1の柱です。認知症への正しい理解の促進、相談先の周知、認知症の人本人からの発信支援などが含まれます。

3.若年性認知症支援ハンドブックの配布

誤りです。
若年性認知症に関するハンドブックの作成や配布は具体的な支援策の一つですが、5つの柱の名称ではありません。若年性認知症の人への支援は、第4の柱に含まれます。

4.認知症初期集中支援チームの設置

誤りです。
認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や家族を複数の専門職が訪問し、早期対応やサービス利用への支援を行う仕組みです。重要な具体的施策ですが、5つの柱の名称ではありません。

5.認知症カフェ等を全市町村に普及

誤りです。
認知症カフェの普及は、認知症の人や家族、地域住民、専門職が交流する場を整備する具体的な取組です。全市町村への普及は新オレンジプランなどで示された目標ですが、2019年大綱の5つの柱の名称ではありません。

覚えるポイント

  • 2019年の認知症施策推進大綱は、「共生」と「予防」を車の両輪とした。
  • 第1の柱は「普及啓発・本人発信支援」である。
  • 第2の柱は「予防」である。
  • 第3の柱は「医療・ケア・介護サービス・介護者への支援」である。
  • 第4の柱は「認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援」である。
  • 第5の柱は「研究開発・産業促進・国際展開」である。
  • 個別の事業名や数値目標と、柱の名称を区別する。
  • 現在の認知症施策は、認知症基本法と認知症施策推進基本計画に基づいて進められている。
  • 本人発信支援では、認知症の人本人の声と意思を中心にする。

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