35Q40|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、見当識障害に関する質問として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.「私たちが今いるところはどこですか」
この問題のポイント
見当識とは、自分が置かれている時間、場所、人などの基本的な状況を把握する働きです。
「今いるところはどこですか」という質問は、現在いる場所を理解しているかを確認するため、場所の見当識を評価する質問です。
解説
見当識には、年月日、曜日、季節などを把握する時間の見当識、現在いる場所を把握する場所の見当識、自分や周囲の人を把握する人の見当識などがあります。
アルツハイマー型認知症では、一般に時間の見当識が早い段階から障害されやすく、進行すると場所や人についても分からなくなることがあります。ただし、現れ方や進行には個人差があります。
選択肢に示された質問は、MMSEなどの認知機能検査に含まれる課題に対応しています。「100から7を順番に引く」は注意・計算、「先ほど覚えた言葉を答える」は遅延再生、「図形を写す」は視空間・構成能力、「紙を取って折って返す」は言語理解と多段階の指示の遂行を主に確認します。
認知機能検査はスクリーニングや状態把握の一部です。一つの質問に答えられなかったことだけで認知症と診断することはできません。聴力や視力、失語、教育歴、文化的背景、疲労、不安、意識状態、検査環境などの影響も考慮する必要があります。
ひっかけポイント
すべて認知機能に関する質問ですが、評価する領域が異なります。「どこですか」は場所の見当識、「引いてください」は注意・計算、「覚えた言葉」は記憶というように、質問の目的を区別します。
介護実践でのポイント
見当識を確認するときは、利用者を試したり間違いを責めたりしません。日常生活で曜日を取り違える、居室やトイレの場所が分からない、人を取り違えるなどの具体的な状況を観察し、時計、カレンダー、案内表示、なじみの物品、声かけなどを用いて安心して行動できる環境を整えます。
選択肢の確認
1.「私たちが今いるところはどこですか」
正しいです。
現在いる場所を把握できているかを確認する質問であり、場所の見当識を評価します。
2.「100から7を順番に引いてください」
誤りです。
連続して引き算を行う課題であり、主に注意の持続、集中力、計算能力などを確認します。場所や時間の見当識を尋ねる質問ではありません。
3.「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」
誤りです。
少し前に覚えた言葉を思い出してもらう課題であり、主に遅延再生や近時記憶を確認します。見当識を尋ねる質問ではありません。
4.「次の図形を写してください」
誤りです。
図形を見て同じように描く課題であり、主に視空間認知や構成能力を確認します。見当識を評価する質問ではありません。
5.「この紙を左手で取り、両手で半分に折って、私に返してください」
誤りです。
複数の段階からなる口頭指示を理解し、順番に実行できるかを確認する課題です。主に言語理解と指示遂行を評価し、見当識を直接尋ねるものではありません。
覚えるポイント
- 見当識は、時間、場所、人などの基本的状況を把握する働きである。
- 「今いるところはどこですか」は、場所の見当識を確認する。
- 「100から7を引く」は、主に注意・計算を確認する。
- 覚えた言葉を後から答える課題は、遅延再生や近時記憶を確認する。
- 図形模写は、視空間認知や構成能力を確認する。
- 多段階の口頭指示は、言語理解や指示遂行を確認する。
- 一つの質問や検査結果だけで認知症と診断しない。
- 介護実践では、本人を試すのではなく、日常生活上の困難を具体的に観察する。
- 時計、カレンダー、表示、なじみの物などを活用して見当識を支える。