35Q59|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
消毒と滅菌に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.滅菌物には,有効期限がある。
この問題のポイント
「消毒」と「滅菌」の違いを整理する問題です。
消毒は、病原性のある微生物を減少・除去して感染の危険を低くする処理です。滅菌は、細菌の芽胞を含め、生育可能な微生物が存在しない状態にする処理です。滅菌済みの物品は、表示された有効期限と包装の状態を確認して使用します。
解説
滅菌物は、滅菌処理が終わった時点だけでなく、使用するまで無菌性が保たれていることが必要です。そのため、包装方法、保管条件、取扱方法などを踏まえて有効期限が定められています。
有効期限内であっても、包装が開封されている、破れている、穴が開いている、濡れている、汚れているなど、包装の完全性が損なわれた物品は使用できません。反対に、有効期限だけを確認して包装状態を見落とすのも不適切です。
消毒薬は、種類ごとに対象物、濃度、作用時間、使用方法が定められています。複数の製品を自己判断で混ぜると、効果が低下するだけでなく、有害なガスが発生する危険があります。特に、次亜塩素酸ナトリウムを酸性の製品などと混ぜてはいけません。
ひっかけポイント
「消毒」と「滅菌」は同じではありません。「すべての微生物」という表現は滅菌を示します。また、熱水や煮沸によって多くの微生物を減らせても、芽胞まで含めた滅菌が保証されるわけではありません。
介護実践でのポイント
介護福祉職は、消毒薬を自己判断で混合したり、濃いほど効果が高いと考えて濃度を変えたりしてはいけません。施設の手順書と製品表示に従い、対象物、濃度、作用時間、換気、個人防護具を確認します。滅菌物は使用直前に有効期限と包装の破損・濡れ・汚染の有無を確認し、異常があれば使用せず報告します。
選択肢の確認
1.消毒は,すべての微生物を死滅させることである。
誤りです。
すべての生育可能な微生物を存在しない状態にする処理は滅菌です。消毒では、感染の原因となる微生物を減らして感染性を失わせますが、細菌の芽胞などが残ることがあります。
2.複数の消毒液を混ぜると効果的である。
誤りです。
消毒液の混合によって効果が高まるとは限りません。成分が反応して効果が低下したり、有害なガスが発生したりする危険があります。製品表示に従い、原則として単独で使用します。
3.滅菌物には,有効期限がある。
正しいです。
滅菌物には、適切な包装・保管条件のもとで無菌性を保証できる期限があります。使用前には有効期限だけでなく、包装の破損、濡れ、開封の有無も確認します。
4.家庭では,熱水で滅菌する。
誤りです。
家庭で行う煮沸や熱水処理は一般に熱による消毒であり、すべての微生物や芽胞を確実に死滅させる滅菌とはいえません。滅菌には、管理された専用の方法と条件が必要です。
5.手指消毒は,次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
誤りです。
次亜塩素酸ナトリウムは、主に環境や物品の消毒に用いられ、皮膚への刺激があるため手指消毒には使用しません。手指が目に見えて汚れていない場合はアルコール製剤、汚れている場合は石けんと流水を用いることが基本です。
覚えるポイント
- 消毒は、病原性のある微生物を減らして感染の危険を低下させる。
- 滅菌は、芽胞を含む生育可能な微生物が存在しない状態にする。
- 滅菌物は、有効期限と包装の完全性の両方を確認する。
- 包装が破損・開封・湿潤している滅菌物は、期限内でも使用しない。
- 消毒薬は混ぜず、指定された濃度と作用時間を守る。
- 次亜塩素酸ナトリウムは手指ではなく、主に環境や物品の消毒に用いる。
- 熱水や煮沸による処理を、滅菌と混同しない。