36Q117|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(70歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしで、年金収入で生活している。ある日、車を運転中に事故に遭い救急搬送された。医師からは、第4胸髄節まで機能が残存している脊髄損傷(spinal cord injury)と説明を受けた。Dさんは、入院中に要介護3の認定を受けた。 Dさんは、退院後は自宅で生活することを望んでいた。妻は一緒に暮らしたいと思うが、Dさんの身体状況を考えると不安を感じていた。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「退院後は、在宅復帰を目的に、一定の期間、リハビリテーション専門職がいる施設で生活してはどうか」とDさんに提案した。Dさんは妻と退院後の生活について話し合った結果、一定期間施設に入所して、その間に、自宅の住宅改修を行うことにして、介護支援専門員(ケアマネジャー)に居宅介護住宅改修費について相談した。 次のうち、Dさんが提案を受けた施設として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.介護老人保健施設
この問題のポイント
「在宅復帰を目的とする」「一定期間入所する」「リハビリテーション専門職がいる」という事例の情報から、介護老人保健施設を選びます。入所資格だけでなく、本人の目的と施設の役割を対応させることが重要です。
解説
介護老人保健施設は、病状が安定した要介護者に対して、医師による医学的管理のもと、看護、介護、理学療法士・作業療法士などによるリハビリテーション、日常生活上の支援を提供し、在宅復帰と在宅生活の継続を支える施設です。
Dさんは退院後に自宅で生活することを希望していますが、すぐに自宅へ戻ることには本人と妻の双方に不安があります。そこで、一定期間施設で生活しながら、車いす移動、移乗、排泄などの生活動作を練習し、その間に住宅改修を進めるという目的に最も合うのが介護老人保健施設です。
在宅復帰支援では、本人の機能訓練だけを行うのではありません。入所時から退所後の生活を見据え、本人の希望、妻の不安や負担、住宅環境、福祉用具、必要な在宅サービスなどを多職種で検討します。
ひっかけポイント
Dさんは要介護3なので介護老人福祉施設への入所要件に該当し得ますが、「入所できる施設」を選ぶ問題ではありません。「一定期間」「リハビリテーション」「在宅復帰」という目的に最も適した施設を選びます。
介護実践でのポイント
在宅復帰は退所直前に考え始めるのではなく、入所時から本人を中心に計画します。介護福祉職は、施設での食事、排泄、移乗、車いす操作などの様子を具体的に共有し、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員などと連携します。妻を当然の介護者と決めつけず、妻の希望、健康状態、可能な支援範囲も確認して、無理なく続けられる生活を検討します。
選択肢の確認
1.養護老人ホーム
誤りです。
養護老人ホームは、環境上・経済的な理由によって自宅で養護を受けることが困難な高齢者を、市町村の措置により入所させる施設です。在宅復帰に向けて一定期間、専門的なリハビリテーションを行う施設ではありません。
2.軽費老人ホーム
誤りです。
軽費老人ホームは、家庭環境や住宅事情などから自宅で生活することが難しい高齢者に、無料または低額な料金で食事などの日常生活上の便宜を提供する施設です。在宅復帰を目的とした集中的なリハビリテーションを担う施設ではありません。
3.介護老人福祉施設
誤りです。
介護老人福祉施設は、常時介護を必要とする人に、日常生活上の介護、機能訓練、健康管理などを提供する生活施設です。在宅復帰も念頭に置きますが、本事例のように一定期間のリハビリテーションを経て自宅へ戻る目的には、介護老人保健施設がより適しています。
4.介護老人保健施設
正しいです。
在宅復帰を目指す要介護者に、医学的管理のもとでリハビリテーション、看護、介護、日常生活上の支援を提供します。Dさんの希望と、住宅改修を行う間の一定期間の入所という目的に合っています。
5.介護医療院
誤りです。
介護医療院は、長期にわたる療養が必要な要介護者に、医療と日常生活上の介護を一体的に提供する施設です。Dさんには長期療養を必要とする状態は示されていません。
覚えるポイント
- 介護老人保健施設は、在宅復帰・在宅生活支援を目指す施設である。
- 医学的管理のもとで、リハビリテーション、看護、介護を提供する。
- 施設選択では、入所要件だけでなく、本人の目的と施設の役割を対応させる。
- 在宅復帰支援は入所時から始め、住宅環境や在宅サービスも検討する。
- 家族の希望や介護力も確認し、本人と家族の双方が継続できる生活を考える。