36Q66|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
施設利用者の個人情報の保護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.個人情報保護に関する研修会を定期的に開催し、意識の向上を図る。
この問題のポイント
施設が利用者の個人情報を守るために必要な、組織的・人的・物理的・技術的な安全管理を理解する問題です。
個人情報の漏えいを防ぐには、職員一人ひとりの注意だけに頼らず、規程の整備、定期的な研修、アクセス権限の設定、パスワード管理、書類や端末の保管、廃棄方法などを組織として管理します。
解説
介護現場では、氏名、住所、生年月日、病名、障害、服薬、家族関係、経済状況、介護記録、写真、映像、音声など、多くの個人情報を扱います。これらは、利用者の尊厳やプライバシーに直結する情報です。
個人情報を扱う職員には、業務上必要な範囲だけを閲覧できるように権限を設定します。パスワードを共有すると、誰が情報を閲覧・変更したのか追跡できず、不正利用や漏えいの危険が高まります。職員ごとのIDとパスワードを用い、他人に知らせず、画面を開いたまま離席しないなどの対策が必要です。
個人情報を含む紙は、一般のごみや新聞紙と一緒に捨てません。シュレッダー処理、溶解処理、機密文書回収など、復元や閲覧ができない方法で廃棄します。電子媒体も、単にファイルを削除するだけでなく、施設の規程に沿って確実に消去・破壊します。
守秘義務や個人情報の取扱いは、採用時に説明して終わりではありません。業務内容や情報機器、法令、事故例は変化するため、定期的に研修し、理解を確認することが重要です。また、退職後も業務上知り得た秘密を漏らしてはいけません。
音声も、内容や声によって個人を識別できれば個人情報になります。録音、研修利用、広報、外部提供などを行う場合は、利用目的、必要性、範囲、保存方法を確認し、法令上の例外を除いて、本人への説明と適切な同意を得ることが基本です。「音声なら同意なく自由に使える」という考え方は誤りです。
ひっかけポイント
個人情報は、氏名が書かれた紙だけではありません。写真、映像、音声、介護記録、端末画面、会話の内容も、個人を識別できれば保護の対象になります。
介護実践でのポイント
廊下やエレベーターで利用者の病状を話さない、記録を机に放置しない、私物端末で撮影しない、SNSへ投稿しない、送信先を確認するなど、日常の小さな行動が情報漏えい防止につながります。
選択肢の確認
1.職員がすべての個人情報を自由に閲覧できるように、パスワードを共有する。
誤り。
閲覧は業務上必要な範囲に限定し、職員ごとのIDとパスワードで管理します。パスワード共有は、アクセス管理と操作履歴の確認を困難にします。
2.個人情報を記載した書類は、そのまま新聞紙と一緒に捨てる。
誤り。
第三者が読めないように、シュレッダー、溶解処理、機密文書回収など、施設が定めた安全な方法で廃棄します。
3.個人情報保護に関する研修会を定期的に開催し、意識の向上を図る。
正答。最も適切です。
定期的な教育・研修によって、守秘義務、安全管理、事故時の対応などを職員全体で確認し、適切な取扱いを維持します。
4.職員への守秘義務の提示は、採用時ではなく退職時に書面で行う。
誤り。
守秘義務は採用時から説明し、在職中も継続して教育します。退職後も秘密保持義務が続くことを確認する必要があります。
5.利用者の音声情報は、同意を得ずに使用できる。
誤り。
音声も個人を識別できれば個人情報です。利用目的と必要性を明確にし、法令上の例外を除いて、本人への説明と適切な同意が必要です。
覚えるポイント
個人情報には、介護記録、写真、映像、音声なども含まれます。
閲覧権限は業務上必要な範囲に限定し、パスワードを共有しません。
紙や電子媒体は、情報を復元できない安全な方法で廃棄します。
守秘義務は在職中だけでなく退職後も続きます。
定期的な研修は、個人情報を守るための重要な組織的対策です。