37Q19|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、恐怖や不安、喜びなどの情動に関わる脳の機能局在の部位として、正しいものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.扁桃体{へんとうたい}
この問題のポイント
脳の各部位の代表的な働きを区別する問題です。
扁桃体は大脳辺縁系を構成する部位の一つで、外界から得た情報の情動的な意味を評価し、恐怖、不安、怒り、喜びなどの情動や情動記憶に関わります。
解説
扁桃体は、側頭葉の内側部にある神経核の集まりで、大脳辺縁系の一部です。視覚や聴覚などによって得た情報が、自分にとって危険か、安全か、快いか、不快かなどを評価する過程に関わります。特に恐怖や不安への関与がよく知られていますが、喜びなどを含む幅広い情動の処理、情動を伴う記憶、社会的な認知にも関係します。
情動は扁桃体だけで生じるものではなく、大脳皮質、海馬、視床下部など複数の部位が連携して成り立っています。その中で、この問題のように恐怖、不安、喜びなどの情動に代表的に関わる機能局在を問われた場合は、扁桃体を選びます。
海馬は、新しい出来事を記憶として形成する働きや、空間の記憶に深く関わります。扁桃体と海馬は近接しており、感情を伴った出来事が記憶に残りやすくなる過程などで連携します。
視床下部は、体温、空腹、口渇、睡眠・覚醒、自律神経、内分泌などを調節します。情動に伴う発汗、動悸、血圧変化などの身体反応にも関わりますが、情動の評価や処理を代表する部位としては扁桃体が適切です。
ひっかけポイント
海馬と扁桃体はともに大脳辺縁系に関係しますが、基本的には「海馬は記憶」「扁桃体は情動」と整理します。
介護実践でのポイント
強い音、急な接近、なじみのない環境などは、本人に恐怖や不安を生じさせることがあります。行動だけを問題とせず、本人が何を危険または不快と感じたのかを考え、安心できる環境と関わり方を整えます。
選択肢の確認
1.扁桃体{へんとうたい}
正しいです。 扁桃体は、恐怖、不安、怒り、喜びなどの情動の処理や、情動を伴う記憶に関わります。
2.小脳
誤りです。 小脳は、姿勢や平衡の維持、筋緊張の調節、運動の協調、運動学習などに重要な役割を果たします。認知や情動にも一定の関与がありますが、この問題で問われている代表的な情動の部位は扁桃体です。
3.下垂体
誤りです。 下垂体は、甲状腺、副腎皮質、性腺などの働きを調節する複数のホルモンを分泌する内分泌器官です。主に視床下部の調節を受けます。
4.海馬
誤りです。 海馬は、新しい記憶の形成や空間記憶に深く関わる部位です。情動を伴う記憶では扁桃体と連携しますが、情動の機能局在として最も適切なのは扁桃体です。
5.視床下部
誤りです。 視床下部は、体温、摂食、飲水、睡眠、自律神経、内分泌などを調節し、身体内部の恒常性を保ちます。情動に伴う身体反応にも関わりますが、情動の評価や処理を代表する部位ではありません。
覚えるポイント
- 扁桃体は、恐怖、不安、怒り、喜びなどの情動に関わる。
- 海馬は、新しい記憶の形成に関わる。
- 小脳は、平衡、姿勢、運動の協調、運動学習に関わる。
- 下垂体は、各種ホルモンを分泌する内分泌器官。
- 視床下部は、自律神経、内分泌、体温、摂食などを調節する。