37Q85|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
ノーリフティングケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。
この問題のポイント
ノーリフティングケアの考え方と、移乗用具の適応を見分ける問題です。
ノーリフティングケアは、介護者が利用者を人力だけで抱え上げたり、引きずったりしない介護です。利用者の残存機能を生かし、スライディングボード、スライディングシート、リフトなどを適切に使用します。
解説
スライディングボードは、ベッドと車いすなど二つの座面の間に橋をかけ、利用者が座った姿勢のまま横へ滑るように移乗するための用具です。端座位を保つことができ、立ち上がりは難しいものの、上肢や体幹をある程度使える人などに適します。
使用前には、本人へ説明して同意を得ます。車いすのブレーキをかけ、フットサポートや必要に応じてアームサポートを外し、座面の高さや隙間を確認します。皮膚の巻き込みやずれ、転落を防ぎながら、本人ができる動作を生かします。
人力で抱え上げる介助は、利用者の肩や皮膚を傷つけたり、恐怖や痛みを生じさせたりするおそれがあります。また、介護者の腰痛の原因になります。シーツなどを使わず身体を手前へ引き寄せる方法も、皮膚のずれや摩擦を起こします。
回転移動盤は、立位をとり、足を盤上に置いて身体を回転させる場面で使う用具です。立位保持が困難な人に用いると、膝折れや転倒の危険があります。その場合は、スライディングボードや移乗用リフトなど、状態に合う用具を選びます。
ひっかけポイント
ノーリフティングは「介助しない」という意味ではありません。人力による抱え上げを避け、安全な姿勢と福祉用具で必要な支援を行う考え方です。
介護実践でのポイント
用具は、座位保持、立位保持、上肢機能、痛み、皮膚状態、本人の希望を評価し、専門職と連携して選びます。介護者は使用方法の研修を受け、毎回用具の破損や固定を確認します。
選択肢の確認
1.仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})の利用者を抱え上げて、端座位にする。
誤り。
介護者が抱え上げる方法であり、利用者と介護者の双方に負担や損傷の危険があります。ベッド機能、寝返り動作、スライディングシートなどを活用します。
2.仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})の利用者を手前に引きよせて、ストレッチャーに移乗する。
誤り。
身体を直接引き寄せると、皮膚の摩擦やずれ、関節への負担が生じます。スライディングシートや移乗用ボード、リフトなどを用います。
3.端座位の利用者の体幹を抱きかかえて、車いすに移乗する。
誤り。
体幹を抱きかかえる人力介助であり、本人の残存機能を生かしにくく、利用者と介護者の負担が大きくなります。
4.端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。
正答。最も適切です。
スライディングボードを座面間に渡すことで、抱え上げずに座位のまま移乗できます。本人の能力に合わせて安全に使用します。
5.立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して、車いすに移乗する。
誤り。
回転移動盤は、基本的に立位を保って方向転換できる人に使用します。立位が困難な人では転倒の危険があり、別の移乗用具を検討します。
覚えるポイント
ノーリフティングケアでは、抱え上げ、引きずり、無理な持ち上げを避けます。
端座位を保てる人の座位移乗には、スライディングボードが活用できます。
回転移動盤には、立位保持能力が必要です。
福祉用具は、本人の能力と希望を評価し、正しい手順で使用します。