37Q92|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、入浴の作用を生かした、高齢者への入浴の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.浴槽の中では、関節運動を促す。
この問題のポイント
入浴には、温熱作用、水圧作用、浮力作用があります。浴槽内では浮力によって身体にかかる重さが軽減され、温熱によって筋肉の緊張も和らぐため、陸上より関節を動かしやすくなります。
一方、熱い湯、食後すぐの入浴、深い全身浴は、高齢者や循環器疾患のある人に大きな負担となることがあります。
解説
湯につかると、温熱作用によって末梢血管が拡張して血流が促され、筋肉の緊張が和らぎます。また、浮力によって関節や筋肉にかかる負担が軽くなるため、浴槽内では無理のない範囲で関節を動かしやすくなります。この作用を生かし、本人の体調と能力に合わせた軽い関節運動を促すことは適切です。
ただし、浴槽内は滑りやすく、入浴による血圧変動や疲労も生じます。痛みを我慢させたり、大きな動きを強制したりしてはいけません。安定した姿勢を確保し、本人の表情、呼吸、皮膚色、疲労などを確認しながら行います。
高齢者の入浴では、急激な温度差や熱い湯による血圧変動、高体温、意識障害に注意します。入浴前に体調を確認し、脱衣室と浴室を暖め、湯温や入浴時間を調整します。事故予防では、湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までが一つの目安です。
ひっかけポイント
湯につかることは気持ちがよくても、深く、熱く、長く入れば効果が高まるわけではありません。水圧や高温は、循環器系への負担を増やします。
介護実践でのポイント
入浴前後の体調、食事や服薬との間隔、本人の既往歴を確認します。関節運動は本人が動かせる範囲でゆっくり行い、痛み、息苦しさ、めまいなどがあれば中止します。
選択肢の確認
1.食事は、入浴直前に摂取する。
誤りです。 食後すぐは消化のために血流が使われ、食後低血圧が起こることもあります。入浴による血圧変動が加わると、めまいや失神の危険が高まるため、食事直後の入浴は避けます。
2.高血圧の人には、42℃以上の湯につかってもらう。
誤りです。 熱い湯は交感神経を刺激し、血圧を急激に変動させるほか、高体温や意識障害の危険を高めます。高血圧の人に42℃以上の湯を勧めることは不適切です。
3.浴槽の中では、関節運動を促す。
正しいです。 温熱によって筋肉の緊張が和らぎ、浮力によって関節への負担が軽くなるため、浴槽内では関節を動かしやすくなります。安定した姿勢を保ち、痛みのない範囲で無理なく行います。
4.心疾患(heart disease)のある人には、肩まで湯につかってもらう。
誤りです。 肩までつかる深い全身浴では、水圧によって静脈還流が増え、心臓への負担が大きくなります。心疾患がある人では主治医の指示を確認し、必要に応じて半身浴など負担の少ない方法を検討します。
5.個浴の浴槽内では、足を浮かせてもらう。
誤りです。 足を浮かせると、浮力で身体が滑ったり姿勢が不安定になったりする危険があります。足底を浴槽の底や壁に安定してつけ、必要に応じて浴槽内いすや手すりを使用します。
覚えるポイント
- 入浴の主な作用は、温熱作用、水圧作用、浮力作用である。
- 浮力と温熱を生かすと、無理のない関節運動を行いやすい。
- 高齢者では、食後すぐの入浴、42℃以上の熱い湯、長時間の入浴を避ける。
- 深い全身浴は心臓への負担が増えるため、心疾患がある人では特に注意する。
- 浴槽内では足底を支持し、身体が滑らない安定した姿勢を整える。