38Q59|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、施設で亡くなった利用者家族への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5.悲嘆が長期化した場合は、専門医等へ相談するように助言する。
この問題のポイント
大切な人を亡くした後の悲嘆は、多くの人に起こる自然な反応です。介護福祉職は、悲しみを急いで消そうとせず、家族の語りを聴き、必要な場合に専門的な支援へつなげます。
悲嘆が長く続き、生活に大きな支障がある場合は、専門医や相談機関への相談を提案することが適切です。
解説
悲嘆には、悲しみ、涙、怒り、後悔、罪悪感、眠れない、食欲がない、集中できないなど、さまざまな反応があります。現れ方や期間には個人差があり、泣いていないから悲しんでいない、長く悲しんでいるから異常と、一律に決めつけてはいけません。
家族への支援は、亡くなった後に初めて始まるものではありません。終末期から、体調の変化や見通しを説明し、家族の不安や迷いを聴き、看取り後も必要に応じて声をかけます。故人との思い出を語ることは、家族が関係を振り返り、喪失を受け止めていく助けになることがあります。
一方で、悲嘆が長期化し、日常生活を送れない状態が続く、強い抑うつや自責がある、アルコールや薬に頼る、自分を傷つけたいという訴えがあるなどの場合は、介護福祉職だけで支えようとせず、医師、精神保健福祉センター、地域の相談機関などにつなぎます。緊急性がある場合は、直ちに専門職へ連絡します。
介護実践でのポイント
「元気を出してください」と結論を急がず、「おつらいですね」「お話しできることがあれば伺います」と、家族が自分のペースで気持ちを表せるようにします。
選択肢の確認
1.悲しみの表出があった時点からかかわりを開始する。
適切ではありません。
支援は、悲しみが表面に出てから始めるものではありません。終末期の段階から家族の不安を受け止め、看取り後も継続して関わります。悲しみを表に出さない人にも配慮が必要です。
2.傾聴よりも励ますことを重視する。
適切ではありません。
性急な励ましは、家族が悲しみや怒りを表現することを妨げる場合があります。まずは否定せずに話を聴き、沈黙も含めて家族のペースを尊重します。
3.悲嘆は特異な反応のため注意する。
適切ではありません。
悲嘆は、大切な人を亡くしたときに起こり得る自然な反応です。異常なものと決めつけず、個人差を尊重しながら経過と生活への影響を見守ります。
4.故人との思い出には触れないようにする。
適切ではありません。
家族が望む場合、故人との思い出を語ることは、気持ちを整理し、故人との関係を大切にしながら生活を再構築する助けになります。無理に話させず、反応を見ながら聴きます。
5.悲嘆が長期化した場合は、専門医等へ相談するように助言する。
正答。最も適切です。
悲嘆が長く続き、心身や日常生活に大きな支障がある場合は、専門的な評価と支援が必要になることがあります。介護福祉職は適切な相談先を案内し、必要に応じて連携します。
覚えるポイント
悲嘆は自然な反応で、現れ方と期間には個人差があります。
基本的な支援は、傾聴し、感情を否定せず、本人のペースを尊重することです。
生活への大きな支障、強い抑うつ、自傷の危険などがある場合は、専門医や相談機関へつなげます。