38Q84第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次の記述のうち、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.記憶障害は、初期から認められる。

この問題のポイント

アルツハイマー型認知症の初期症状と進行の特徴を理解する問題です。

アルツハイマー型認知症では、一般に新しい出来事を覚える力や近時記憶が早い段階から低下します。古い記憶は比較的保たれやすく、病状の進行とともに障害されます。

解説

アルツハイマー型認知症は、気づかれにくい形で始まり、通常はゆっくりと進行します。初期から目立ちやすいのは、少し前の出来事を覚えていない、同じことを繰り返し尋ねる、約束を忘れるなどの記憶障害です。特に、新しく経験した出来事を記憶として定着させることが難しくなります。

記憶は一様に失われるのではありません。一般には、最近の出来事に関する記憶が先に障害され、昔の出来事や長く繰り返してきた習慣は比較的保たれます。その後、進行に伴って古い記憶や手続き的な能力にも障害が広がります。

見当識障害も早期からみられることがあり、まず日付、曜日、季節など時間に関する見当識が低下しやすく、進行すると場所や人物の認識にも影響します。

日常生活動作は、すべてが重度期になってから障害されるわけではありません。買物、食事の準備、金銭管理、服薬管理などの複雑なIADLは比較的早期から難しくなることがあります。食事、着替え、排泄などの基本的ADLは、より進行した段階で支援が必要になる傾向があります。

認知機能が良い時と悪い時で大きく変動することは、レビー小体型認知症で特徴的にみられる所見です。

ひっかけポイント
アルツハイマー型認知症は「新しい記憶から障害されやすい」と覚えます。「古い記憶から先に障害される」ではありません。また、IADLの低下は重度期を待たずに現れることがあります。

介護実践でのポイント
本人を試すように何度も質問したり、失敗を指摘したりするのではなく、カレンダー、予定表、置き場所の表示、服薬支援などを用いて生活を補います。昔から慣れ親しんだ作業や得意なことを生かし、できる部分を本人に担ってもらうことが自立と尊厳の保持につながります。

選択肢の確認

1.古い記憶から障害され、徐々に新しい記憶も障害される。
適切ではありません。
一般には順序が逆です。アルツハイマー型認知症では、新しい出来事を覚える力や近時記憶が早期から障害され、古い記憶は比較的長く保たれる傾向があります。

2.認知機能が変動することが特徴的である。
適切ではありません。
注意や覚醒を含む認知機能が時間や日によって大きく変動することは、レビー小体型認知症の特徴です。アルツハイマー型認知症は、一般に緩やかに進行します。

3.ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の障害は、重度期以降に認められる。
適切ではありません。
買物、調理、金銭管理、服薬管理などのIADLは、軽度から低下することがあります。基本的ADLの全面的な介助は進行後に増えますが、「ADLの障害は重度期以降」と一律にするのは誤りです。

4.見当識障害は、中期以降に認められる。
適切ではありません。
時間に関する見当識障害は、記憶障害と並んで早い段階からみられることがあります。進行すると、場所や人物に関する見当識にも障害が広がります。

5.記憶障害は、初期から認められる。
正答。最も適切です。
アルツハイマー型認知症では、新しい出来事を覚えにくい、少し前の出来事を忘れるなどの記憶障害が初期からみられます。

覚えるポイント

アルツハイマー型認知症は、一般に気づかれにくく始まり、ゆっくり進行します。

初期には、新しい出来事を覚える力と近時記憶が低下しやすいです。

時間の見当識障害や、買物・調理・服薬管理などのIADL低下も早期からみられることがあります。

古い記憶、長年の習慣、得意なことなど、保たれている力を生活支援に生かします。

関連問題

38Q8338Q85
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)