7AM60第7回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-02 愛着・対象関係の発達

[7AM60] 1歳5か月の男児A、初語10 か月、初歩11 か月。これまでの乳幼児健診では特に発達の問題を指摘されたことはなく、活発で積極的なタイプの子どもである。母親Bによると、Aはこれまであまり手がかからなかったが、最近になって、散歩中に手を繋ぐことを拒否して大声で泣き喚いたり、急に抱っこをせがんできたりと、とても手がかかるようになった。また、Bが一人で外出しようとすると泣いて嫌がるようになり、父親に任せて外出することができなくなってしまった。 Aの発達状況を、M. S. Mahler の理論を通して理解した場合に、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、M. S. Mahler の分離個体化理論における発達段階が問われています。

事例のキーワードは、「1歳5か月」「手を繋ぐことを拒否」「急に抱っこをせがむ」「母親が外出しようとすると泣いて嫌がる」です。

解説

M. S. Mahler は、乳幼児が母親との一体的な関係から少しずつ分離し、個としての自己を発達させていく過程を示しました。

1歳5か月は、おおよそ再接近期に当たります。再接近期では、子どもは歩行や探索によって自立性を高める一方で、自分が母親から分離した存在であることを強く感じ、母親への接近や安心の確認も求めるようになります。

本事例のAは、活発で積極的なタイプであり、散歩中に手を繋ぐことを拒否して自分で動こうとする姿がみられます。その一方で、急に抱っこをせがんだり、母親Bが一人で外出しようとすると泣いて嫌がったりしています。

このように、自立したい気持ちと母親に近づきたい気持ちが揺れ動く状態は、再接近期の特徴として理解できます。

事例問題で見るポイント
年齢だけでなく、行動の質を見ます。探索と自立への欲求、母親への接近欲求、分離不安が同時にみられるときは再接近期を考えます。

選択肢の確認

1.分化期
判定:適切とはいえない。
分化期は、乳児が母親と自分を少しずつ区別し始め、周囲への関心を広げていく時期です。本事例のような、歩行後の自立欲求と母親への再接近の揺れを説明するには再接近期が適切です。

2.練習期
判定:適切とはいえない。
練習期は、歩行の獲得により探索活動が盛んになり、自分で動ける喜びが高まる時期です。Aには探索性もありますが、母親に強く戻ろうとする行動や分離への不安が目立つため、再接近期がより適切です。

3.再接近期
判定:最も適切。
再接近期では、自立したい気持ちと母親に近づきたい気持ちが揺れ動きます。Aの手を繋ぐことを拒む行動、抱っこを求める行動、母親の外出を嫌がる行動は、この段階の特徴として理解できます。

4.正常な共生期
判定:適切とはいえない。
正常な共生期は、乳児が母親と一体的な関係の中で安心を得る、ごく早期の段階です。1歳5か月のAの発達状況を説明する段階としては早すぎます。

5.正常な自閉期
判定:適切とはいえない。
正常な自閉期は、Mahler の理論における最初期の段階として扱われ、外界への関心がまだ乏しい時期です。1歳5か月の活発な探索や母親への接近行動を説明する段階ではありません。

覚えるポイント

  • Mahler の分離個体化理論では、再接近期はおおよそ1歳半前後にみられます。
  • 再接近期では、自立したい気持ち母親に近づきたい気持ちが揺れ動きます。
  • 事例では、年齢、探索行動、分離不安、抱っこ要求を合わせて判断します。

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