7AM69第7回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-11 幼児期の認知・自己中心性・自己意識

[7AM69] 5歳の女児A、一時保護所に入所中。Aの両親が事故に遭い入院となった。Aは幼稚園にいて無事であったが、養育者が不在となり、Aは一時保護所に入所した。当初、Aは慣れない様子で不安気であったが、次第に職員に懐き、「パパとママが退院するまで、ここで待っているの」と現状を理解していた。しかし、あるとき、「私がママの言いつけを聞かなかったから、ママは怪我したの。あの日、ママが早くお着替えしなさいと言ったのに私は遊んでいたから」と語った。 このようなAの語りの背景にある幼児期特有の心理的特徴として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、幼児期の認知発達にみられる自己中心性が問われています。

事例のポイントは、Aが両親の事故を「自分が言いつけを聞かなかったから起きた」と考えている点です。

解説

幼児期の子どもは、出来事を自分中心に理解しやすい傾向があります。これはPiagetの認知発達理論でいう自己中心性と関連します。

Aは5歳で、一時保護所に入所しています。両親の事故という偶然の出来事について、「自分がママの言いつけを聞かなかったから、ママは怪我した」と語っています。これは、事故の原因を客観的な因果関係ではなく、自分の行動と結びつけて理解している状態です。

幼児は、周囲の出来事を自分と関連づけて解釈しやすく、災害、事故、離別、病気などについて「自分が悪かったから」と感じることがあります。支援では、子どもの罪悪感を否定的に叱るのではなく、年齢に応じた言葉で、事故はAのせいではないことを丁寧に伝えることが重要です。

事例問題で見るポイント
幼児が事故や病気を自分のせいだと考えている場合、発達段階に特有の自己中心的理解を考えます。心理支援では、安心感と分かりやすい説明が大切です。

選択肢の確認

1.差次感受性
判定:適切とはいえない。
差次感受性は、子どもによって環境の影響を受けやすい程度が異なるという考え方です。本事例のように、事故の原因を自分の行動と結びつける幼児期特有の理解を説明する概念ではありません。

2.自己中心性
判定:最も適切。
幼児期には、自分の視点や行動を中心に出来事を理解しやすい傾向があります。Aが両親の事故を自分の言いつけ違反のせいだと考えていることは、自己中心性によって説明できます。

3.社会的参照
判定:適切とはいえない。
社会的参照は、曖昧な状況で養育者など他者の表情や反応を手がかりに自分の行動を調整することです。本事例の罪悪感を伴う因果理解を説明する概念ではありません。

4.対象の永続性
判定:適切とはいえない。
対象の永続性は、対象が見えなくなっても存在し続けると理解する能力です。主に乳児期の認知発達で重要な概念であり、本事例の「自分のせいで事故が起きた」という理解とは異なります。

5.一人でいられる能力
判定:適切とはいえない。
一人でいられる能力は、Winnicott の理論などで扱われ、安心できる関係を内在化したうえで一人でいられる力を指します。本事例の幼児期の因果理解を説明する概念ではありません。

覚えるポイント

  • 幼児期の自己中心性では、出来事を自分の視点や行動と結びつけて理解しやすくなります。
  • 事故や病気を「自分のせい」と感じる子どもには、安心できる説明が必要です。
  • 社会的参照、対象の永続性、一人でいられる能力との違いを整理します。

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