7PM144|第7回 公認心理師国家試験 過去問
[7PM144] 55 歳の男性A、80 歳の母親Bと二人暮らし。民生委員Cから、AとBについての相談が地域包括支援センターに寄せられた。Cによると、AとBは仲の良い家族として知られていた。数年前まで、一緒に買い物や団地の行事に出かける二人と話をすることも多かった。しかし、半年前からBが外出する姿を全く見かけなくなった。また、1 か月前から怒鳴り声や悲鳴、皿が割れる音などが部屋から時折聞こえるようになった。気になったCが部屋を訪ねると、Aは玄関先に出て来たが、「母も自分も元気です」と素気なく返事をするだけであった。室内にはゴミが散乱していた。 現時点における地域包括支援センターの対応として、優先されるものを 1 つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、高齢者虐待やセルフネグレクトが疑われる状況で、地域包括支援センターが最初に優先すべき対応が問われています。
事例のキーワードは、「Bが外出しなくなった」「怒鳴り声や悲鳴」「皿が割れる音」「Aが元気ですと素気なく返す」「室内にゴミが散乱」です。
解説
地域包括支援センターには、高齢者の総合相談、権利擁護、虐待対応、関係機関連携などの役割があります。
本事例では、80歳の母親Bが半年前から外出しなくなり、1か月前から怒鳴り声、悲鳴、皿が割れる音が聞こえるようになっています。さらに、民生委員Cが訪問した際、Aは玄関先で「母も自分も元気です」と素気なく返すのみで、室内にはゴミが散乱しています。
この時点では、Bの安全、健康状態、生活環境、虐待やネグレクトの有無、Aの介護負担や生活状況を確認する必要があります。したがって、まず優先されるのは、事実確認のための家庭訪問です。
介護サービスの利用促進や地域ケア会議の開催は、事実確認と緊急性の評価を行った後に検討される対応です。
福祉領域のポイント
高齢者虐待が疑われる場合は、本人の安全確認と事実確認を優先します。通報・相談を受けた段階で、早期に訪問し、状況を把握することが重要です。
公認心理師としての注意点
家庭内の問題では、表面的な「元気です」という説明だけで安心せず、高齢者本人の状態、生活環境、暴力や支配の可能性を丁寧に確認します。
選択肢の確認
1.介護サービス利用の促進
判定:優先度は低い。
介護サービス利用は今後必要になる可能性があります。しかし、現時点では虐待や安全上のリスクが疑われるため、まず事実確認と安全確認を行う必要があります。
2.自立支援型マネジメント
判定:優先度は低い。
自立支援型マネジメントは、高齢者の能力や生活機能を生かして支援を組み立てる考え方です。ただし、本事例では安全確認と虐待の有無の把握が優先されます。
3.地域ケア推進会議の開催
判定:優先度は低い。
地域ケア推進会議は、地域課題の検討や地域づくりに関わる会議です。本事例では、まず個別事例として緊急性や事実関係を確認する段階です。
4.介護予防ケアマネジメント
判定:優先度は低い。
介護予防ケアマネジメントは、主に要支援者などの介護予防を目的とした支援計画に関わります。本事例では、虐待や生活環境悪化の疑いがあり、まず家庭訪問による確認が必要です。
5.事実確認のための家庭訪問
判定:最も適切。
Bの姿が見えないこと、怒鳴り声や悲鳴があること、室内のゴミの散乱などから、高齢者虐待やネグレクトが疑われます。現時点で優先されるのは、家庭訪問によりBの安全と生活状況を確認することです。
覚えるポイント
- 高齢者虐待が疑われる場合は、事実確認と安全確認を最優先します。
- 介護サービス導入や会議開催は、状況把握後に検討します。
- 地域包括支援センターは、高齢者の権利擁護と虐待対応の重要な窓口です。