7PM148第7回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-10 睡眠障害

[7PM148] 8 歳の女児A、小学 2 年生。両親に連れられて総合病院小児科を受診した。両親によると、Aは、入眠して 1、2 時間後にベッドから起き上がり、ぼんやりとした表情で寝室を歩き回ることがある。ドアを開けて隣の部屋に行くこともある。声をかけるとうなずく程度の反応はあるが、覚醒することはない。不自然な身体の動きや、尿失禁はない。10 分程度でベッドに戻り、朝まで眠る。翌朝、Aに聞いても何も覚えていない。以上のようなエピソードが月に数回あるという。日中の行動に問題はなく、学校の成績も平均的である。既往歴はなく、薬剤は服用していない。身体診察でも異常は認められなかった。 Aの病態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、子どもの睡眠中の歩き回りから、睡眠時遊行症を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「入眠して1、2時間後」「ぼんやり歩き回る」「覚醒しない」「翌朝覚えていない」「日中の問題はない」です。

解説

睡眠時遊行症は、睡眠中に起き上がって歩き回るなどの行動がみられる睡眠時随伴症です。主にノンレム睡眠中、特に入眠後の前半に起こりやすいとされます。

Aは、入眠して1、2時間後にベッドから起き上がり、ぼんやりした表情で歩き回ります。声をかけるとうなずく程度の反応はありますが、完全には覚醒しません。10分程度でベッドに戻り、翌朝にはその出来事を覚えていません。

不自然な身体の動きや尿失禁はなく、日中の行動や学校成績にも問題はなく、身体診察でも異常はありません。これらの情報から、てんかんや脳炎、精神病性障害ではなく、睡眠時遊行症として理解するのが最も適切です。

医療・保健領域のポイント
子どもの睡眠時遊行では、安全確保が重要です。叱責せず、転倒や外出を防ぐ環境調整を行い、必要に応じて小児科や睡眠専門医と連携します。

選択肢の確認

1.解離性障害
判定:適切とはいえない。
解離性障害では、意識、記憶、同一性、知覚などの統合に問題が生じます。本事例は入眠後1、2時間に繰り返される睡眠中の歩行であり、睡眠時遊行症が適切です。

2.睡眠時遊行症
判定:最も適切。
入眠後の睡眠中に起き上がって歩き回り、完全には覚醒せず、翌朝覚えていないという特徴がみられます。問題文の説明に最も合致します。

3.ウイルス性脳炎
判定:適切とはいえない。
ウイルス性脳炎では、発熱、意識障害、けいれん、神経症状などがみられることがあります。Aには既往歴や身体診察上の異常、日中の問題がなく、脳炎を示す情報はありません。

4.特発性全般てんかん
判定:適切とはいえない。
てんかんでは、発作性の意識障害やけいれん、発作後症状などが問題になります。本事例では、不自然な身体の動きや尿失禁がなく、入眠後の歩行と健忘が中心であり、睡眠時遊行症がより適切です。

5.急性一過性精神病性障害
判定:適切とはいえない。
急性一過性精神病性障害では、幻覚、妄想、まとまりのない言動などの精神病症状が急性に出現します。Aには日中の精神症状はなく、睡眠中の行動が中心です。

覚えるポイント

  • 睡眠時遊行症は、睡眠中に起き上がって歩き回り、翌朝覚えていないことが特徴です。
  • 入眠後の前半に起こりやすいノンレム睡眠関連の睡眠時随伴症です。
  • てんかんや脳炎との鑑別では、発作様運動、尿失禁、日中症状、身体所見を確認します。

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