8AM29|第8回 公認心理師国家試験 過去問
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉のある児童で、授業への集中に困難が認められるケースの支援として、最も適切なものを1つ選べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、AD/HDのある児童が授業に集中しやすくなるための環境調整が問われています。
キーワードは、「授業への集中に困難」と「教室環境」です。
解説
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉のある児童では、周囲の視覚刺激や音刺激に注意がそれやすいことがあります。
授業中に黒板を見る必要がある場合、黒板周囲に掲示物が多いと、児童の注意が黒板の内容から掲示物に移りやすくなります。そのため、教室前方の黒板周囲の掲示物を減らすことは、注意を向ける対象を明確にし、授業への集中を支える環境調整として有効です。
AD/HDの支援では、本人の努力だけに頼るのではなく、注意がそれにくい環境、見通しのある活動、短く具体的な指示、適切な強化などを組み合わせることが大切です。
本問では、「授業への集中に困難」が中心なので、最も直接的な支援は、黒板周囲の視覚刺激を減らすことです。
教育領域のポイント
AD/HDの支援では、叱る前に環境を整えます。座席、掲示物、指示の出し方、課題量、休憩、強化の仕組みを調整します。
選択肢の確認
1.実物や模型に触る機会を多く設ける。
判定:適切とはいえない。
実物や模型に触ることは、具体物を使った学習や体験的理解を促す支援として有効な場合があります。しかし、授業中の集中困難に対する最も直接的な支援としては、視覚刺激を減らす環境調整が適切です。
2.トークン・エコノミーを取り入れる。
判定:適切とはいえない。
トークン・エコノミーは、望ましい行動を強化する行動療法的支援として有用です。ただし、本問では授業への集中を妨げる視覚的刺激への配慮が最も直接的であり、黒板周囲の掲示物を減らすことが適切です。
3.教室前方の黒板周囲の掲示物を減らす。
判定:最も適切。
黒板周囲の掲示物を減らすことで、授業中に注意を向けるべき対象が明確になり、視覚的な刺激に注意がそれにくくなります。AD/HDのある児童の集中を支える環境調整として適切です。
4.事前の指示によって活動の見通しをもたせる。
判定:適切とはいえない。
活動の見通しをもたせることは、特に切り替えや不安、予測困難さへの支援として有用です。ただし、本問の「授業への集中」に対する最も直接的な支援は、視覚刺激を減らすことです。
5.ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉を行う。
判定:適切とはいえない。
SSTは、対人関係や社会的行動を学ぶ支援です。AD/HDのある児童に有用な場合はありますが、授業への集中困難への直接的支援としては、教室環境の調整が優先されます。
覚えるポイント
- AD/HDの集中困難には、刺激を減らす環境調整が有効です。
- 黒板周囲の掲示物を減らすと、授業内容に注意を向けやすくなります。
- 支援では、本人の努力だけでなく、教室環境や指示の出し方を調整します。