36Q101第36回 社会福祉士国家試験 過去問

旧カリキュラム(第36回)専門科目相談援助の理論と方法

事例を読んで、就労継続支援B型事業所のE職員(社会福祉士)が、クライエントに危険が及ぶような行動を減らすために、行動変容アプローチを応用して行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 知的障害があるFさん(20歳)は、作業中に興味があるものが目に入ると勢いよく外に飛び出してしまうことや、作業時間中でも床に寝転がること等の行動が度々あった。寝転がっているところに起き上がるよう声かけを行うと、引っ張り合いになっていた。Fさんのこれらの行動は、職員や仲間からの注目・関心を集めていた。そこで、Eは、Fさんが席に座って作業を継続することを目標行動にして支援を開始した。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

行動変容アプローチでは、行動を性格のせいにせず、行動の直前に何があったか、行動そのもの、直後に何が起こったかというABCの機能的関係を観察し、行動を維持する条件を特定します。

解説

本事例では、寝転がった後に職員が声をかけ、引っ張り合いになり、職員や仲間の注目が集まっています。この結果がFさんにとって注目を得る機会となり、行動を維持している可能性があります。そこで、まず寝転がる前の状況である先行条件、具体的な行動、寝転がった後に得られた結果を記録してABC分析を行う5が最も適切です。その分析に基づき、危険行動を誘発しにくい環境を整え、席に座って作業を続けた時に注目や称賛等を与える方法を検討します。ベースラインは介入前に測り、減らしたい行動に報酬や注目を与えて強化しないことも重要です。

選択肢の確認

  • 1.Fさんが何かに気を取られて席を立つたびに、報酬を与える。:適切ではありません。減らしたい離席の直後に報酬を与えると、その行動が強化されて今後さらに生じやすくなるおそれがあります。
  • 2.支援を始めて1か月後に、目標行動の変化を評価しベースラインをつける。:適切ではありません。ベースラインは介入効果を比べる基準なので、支援を開始する前に目標行動の頻度や持続時間を測定します。
  • 3.不適切行動のモデリングとして、職員が寝転がって見せる。:適切ではありません。モデリングで示すなら望ましい目標行動であり、職員が寝転がる実演は不適切行動を学習させる可能性があります。
  • 4.作業が継続できるたびにベルを鳴らし、ベルの音と作業を条件づける。:適切ではありません。ベルを作業と対提示するだけでは、作業継続を増やす強化子の機能が確認されず、本事例の行動機能にも対応していません。
  • 5.寝転がる前の先行条件、寝転がった後の結果といった行動の仕組みを分析する。:正答であり最も適切です。先行条件・行動・結果を記録するABC分析により、寝転がりを生じさせ維持している環境要因を検討できます。

覚えるポイント

ABC分析はA=先行条件、B=具体的行動、C=行動後の結果。ベースラインは介入前に測り、望ましい行動の直後に強化を行います。

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