36Q150第36回 社会福祉士国家試験 過去問

旧カリキュラム(第36回)専門科目

刑の一部の執行猶予制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4

この問題のポイント

刑の一部の執行猶予は、言い渡した刑の一部を施設内で執行し、残る部分の執行を一定期間猶予する制度です。判決時に定める事項、全部執行猶予等との併存、保護観察の有無を確認します。

解説

裁判所が刑の一部の執行猶予を言い渡すときは、刑期とともに、刑のうち実際に執行する部分及び残る一部の執行を猶予する期間を判決で定めて言い渡します。そのため4が正しい記述です。猶予期間は、原則として実刑部分の執行を終えた日等から始まります。この制度は、施設内処遇と社会内処遇を連続させ、再犯防止と改善更生を図るため2016年に施行されましたが、検察官による起訴猶予、刑の全部の執行猶予、釈放後の生活環境調整を廃止するものではなく、それぞれ別の目的・段階で存続しています。一部執行猶予の期間中に保護観察を付すこともあり、特定の薬物使用等の罪に関する特則では原則として保護観察に付されます。したがって「保護観察が付されることはない」も誤りです。

選択肢の確認

  • 1.本制度の導入により、検察官による起訴猶予の処分は廃止された。:誤りです。起訴猶予は起訴前の検察官の処分、一部執行猶予は有罪判決での刑の執行方法であり、導入後も別制度として存続しています。
  • 2.本制度の導入により、執行する刑の全てを猶予する制度は廃止された。:誤りです。従来の刑の全部の執行猶予は廃止されておらず、法定要件に応じて一部執行猶予と別に適用されます。
  • 3.本制度の導入により、釈放後の生活環境の調整をする制度は廃止された。:誤りです。住居、就業、福祉・医療等を調整する生活環境の調整は、円滑な社会復帰のため引き続き行われます。
  • 4.本制度の刑の一部の執行猶予期間は、刑期とともに判決時に言い渡される。:正答であり正しい記述です。裁判所は判決時に刑期と、どの部分を執行し残る部分を何年間猶予するかを定めて言い渡します。
  • 5.本制度において、保護観察が付されることはない。:誤りです。刑の一部の執行猶予では猶予期間中に保護観察が付されることがあり、対象となる罪の特則によっては原則付されます。

覚えるポイント

一部執行猶予は判決時に「刑期・実刑部分・一部の猶予期間」を言い渡し、実刑部分後に猶予期間へ移ります。全部執行猶予や生活環境調整は存続し、保護観察を付す場合もあります。

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