37AM80第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

医用基礎工学力学・材料力学力のモーメント・斜面運動・塑性変形・円運動

図のような摩擦のない斜面上で質量 2 kg の物体を保持していた。静止状態から滑り始めて 3 秒間で滑る距離[m]に最も近いのはどれか。 ただし、重力加速度は 9.8 m/s² とする。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、摩擦のない斜面上を滑る物体の等加速度運動が問われています。

斜面方向の加速度は、重力加速度そのものではなく、重力加速度の斜面方向成分です。

  • a = g sin θ

図では斜面の角度が30°なので、

  • a = 9.8 × sin 30°
  • sin 30° = 1/2
  • a = 4.9 m/s²

となります。

図で見るポイント
図では、物体が摩擦のない30°の斜面上にあります。重力は鉛直下向きに働きますが、物体を斜面に沿って滑らせるのは、重力の斜面方向成分です。

解説

摩擦がない斜面では、物体に斜面方向へ働く力は重力の斜面方向成分です。

物体の質量を m、重力加速度を g、斜面の角度を θ とすると、斜面方向の力は、

  • F = mg sin θ

です。

運動方程式は、

  • F = ma

なので、

  • ma = mg sin θ

両辺を m で割ると、

  • a = g sin θ

となります。

この問題では、

  • g = 9.8 m/s²
  • θ = 30°
  • sin 30° = 1/2

なので、

  • a = 9.8 × 1/2
  • a = 4.9 m/s²

物体は静止状態から滑り始めるため、初速度は0です。

等加速度直線運動の距離は、

  • s = v0t + 1/2 at²

で表されます。

初速度 v0 = 0 なので、

  • s = 1/2 at²

時間 t = 3 s を代入します。

  • s = 1/2 × 4.9 × 3²
  • s = 1/2 × 4.9 × 9
  • s = 22.05 m

最も近い値は 22 m です。

したがって、選択肢2が正答です。

ひっかけポイント
質量 2 kg が与えられていますが、摩擦のない斜面での加速度 a = g sin θ では質量は打ち消されます。質量を使って力を求めても、最後に m で割るため加速度は同じです。

選択肢の確認

1.誤り。
14 m は、斜面方向の加速度または時間の2乗を小さく見積もった値です。静止状態から3秒間、加速度4.9 m/s²で進む距離は約22 mです。

2.正しい。
斜面方向の加速度は 9.8 × sin 30° = 4.9 m/s² です。距離は 1/2 × 4.9 × 3² = 22.05 m となり、最も近い値は22 mです。

3.誤り。
30 m は大きすぎます。重力加速度9.8 m/s²がそのまま斜面方向に働くわけではなく、斜面方向成分は4.9 m/s²です。

4.誤り。
38 m は、加速度を過大に見積もった値です。30°斜面では、斜面方向の加速度は g の半分です。

5.誤り。
45 m は、自由落下に近い距離です。斜面上の運動では、斜面方向成分 g sin 30° を用いるため、この値にはなりません。

覚えるポイント

  • 摩擦のない斜面での加速度は a = g sin θ です。
  • 30°では sin 30° = 1/2 です。
  • この問題では a = 4.9 m/s² です。
  • 静止からの等加速度運動では s = 1/2 at² を使います。
  • 質量は計算途中で打ち消されるため、斜面方向の加速度には影響しません。

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