37PM54|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
差動増幅器の入力端子間に 2 mV を入力したとき、4 V の出力が得られた。この入力端子を短絡して、アースとの間に 1 V を入力したとき、200 mV の出力が得られた。この差動増幅器の同相除去比(CMRR)[dB]はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、差動増幅器の同相除去比、CMRRをdBで求めます。
CMRRは、差動信号をどれだけ増幅し、同相信号をどれだけ除去できるかを表す指標です。
計算の流れは次のとおりです。
- 差動利得 Ad を求める
- 同相利得 Ac を求める
- CMRR = Ad / Ac を求める
- dB表示に変換する
解説
差動増幅器では、2つの入力端子間の差を増幅することが目的です。
一方、2つの入力端子に共通して入る信号を同相信号といいます。生体計測では、商用交流雑音などが同相信号として入りやすいため、同相信号をどれだけ除去できるかが重要です。
1. 差動利得を求める
入力端子間に 2 mV を入力したとき、4 V の出力が得られています。
単位をそろえます。
- 2 mV = 0.002 V
差動利得 Ad は、
- Ad = 出力電圧 / 差動入力電圧
- Ad = 4 / 0.002
- Ad = 2000
です。
2. 同相利得を求める
入力端子を短絡して、アースとの間に 1 V を入力しています。
このとき、200 mV の出力が得られています。
単位をそろえます。
- 200 mV = 0.2 V
同相利得 Ac は、
- Ac = 出力電圧 / 同相入力電圧
- Ac = 0.2 / 1
- Ac = 0.2
です。
3. CMRRを求める
CMRRは、差動利得を同相利得で割って求めます。
- CMRR = Ad / Ac
- CMRR = 2000 / 0.2
- CMRR = 10000
4. dBに変換する
電圧利得の比をdBで表すときは、次の式を使います。
- CMRR[dB] = 20 × log10(CMRR)
したがって、
- CMRR[dB] = 20 × log10(10000)
- 10000 = 10^4
- log10(10000) = 4
- CMRR[dB] = 20 × 4
- CMRR[dB] = 80 dB
よって、選択肢4が正答です。
ひっかけポイント
200 mV を 200 V として扱わないことが重要です。必ず V に単位をそろえてから計算します。
生体計測での注意点
心電図、脳波、筋電図などでは、生体信号は微小です。商用交流雑音などの同相信号を抑えるため、差動増幅器では高いCMRRが求められます。
選択肢の確認
1.誤り。
20 dBは小さすぎます。差動利得2000、同相利得0.2より、CMRRは10000となります。
2.誤り。
40 dBは、CMRRが100程度のときに相当します。この問題ではCMRRは10000です。
3.誤り。
60 dBは、CMRRが1000程度のときに相当します。この問題では10000なので80 dBです。
4.正しい。
差動利得は 4 V / 0.002 V = 2000、同相利得は 0.2 V / 1 V = 0.2 です。CMRR = 2000 / 0.2 = 10000 となり、20 log10(10000) = 80 dB です。
5.誤り。
100 dBは、CMRRが100000程度のときに相当します。この問題のCMRRは10000なので80 dBです。
覚えるポイント
- 差動利得 Ad は、差動入力に対する出力の利得です。
- 同相利得 Ac は、同相信号に対する出力の利得です。
- CMRR = Ad / Ac です。
- dB表示では 20 × log10(CMRR) を使います。
- この問題では、Ad = 2000、Ac = 0.2、CMRR = 10000、よって 80 dB です。