37PM62|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
図のブロック線図の伝達関数はどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、負帰還ブロック線図の閉ループ伝達関数が問われています。
図では、前向き経路に
- G(s) = K1 / {s(s+1)}
があり、出力から戻る帰還経路に
- H(s) = K2
があります。
加算点では、入力が「+」、帰還信号が「−」で入っているため、これは負帰還系です。
負帰還系の伝達関数は、
- T(s) = G(s) / {1 + G(s)H(s)}
で求めます。
解説
図のブロック線図を順に読みます。
入力信号を R(s)、出力信号を Y(s) とします。
前向き経路のブロックは、
- G(s) = K1 / {s(s+1)}
です。
帰還経路のブロックは、
- H(s) = K2
です。
図の加算点では、入力 R(s) は正符号で入り、出力から戻ってきた信号 K2Y(s) は負符号で入ります。
したがって、前向きブロックへ入る信号は、
- R(s) - K2Y(s)
です。
この信号が前向きブロック G(s) を通って出力 Y(s) になるので、
- Y(s) = G(s) × {R(s) - K2Y(s)}
となります。
ここに G(s) = K1 / {s(s+1)} を代入してもよいですが、まず一般形で整理します。
- Y(s) = G(s)R(s) - G(s)K2Y(s)
Y(s) を含む項を左辺に集めます。
- Y(s) + G(s)K2Y(s) = G(s)R(s)
Y(s) でくくると、
- Y(s){1 + G(s)K2} = G(s)R(s)
したがって、伝達関数 T(s) = Y(s) / R(s) は、
- T(s) = G(s) / {1 + G(s)K2}
です。
ここで、
- G(s) = K1 / {s(s+1)}
なので、
- T(s) = K1/{s(s+1)} / {1 + K1K2/{s(s+1)}}
分母を通分します。
- 1 + K1K2/{s(s+1)}
- = {s(s+1) + K1K2} / {s(s+1)}
したがって、
- T(s) = K1/{s(s+1)} × {s(s+1)} / {s(s+1) + K1K2}
- T(s) = K1 / {s(s+1) + K1K2}
よって、選択肢3が正答です。
ひっかけポイント
負帰還では分母が 1 + G(s)H(s) になります。
加算点の帰還側が「−」なので、閉ループ伝達関数の分母は s(s+1) + K1K2 です。
「−」だから分母もマイナスにする、という考え方ではありません。
選択肢の確認
1.誤り。
K1K2/{s(s+1)} は、前向きブロックと帰還ブロックを単純に掛けた開ループ伝達関数 G(s)H(s) に相当します。閉ループ伝達関数ではありません。
2.誤り。
K1/{s(s+1)K2} は、K2 を単純に分母へ入れた形です。負帰還系では、K2 は G(s)H(s) として分母の加算項に入ります。
3.正しい。
負帰還系なので、T(s) = G(s)/{1+G(s)H(s)} を使います。
G(s) = K1/{s(s+1)}、H(s) = K2 より、T(s) = K1/{s(s+1)+K1K2} となります。
4.誤り。
K1K2/{s(s+1)-K1K2} は、正帰還のような形に近く、さらに分子も K1K2 になっています。図は負帰還であり、分母は s(s+1)+K1K2 です。
5.誤り。
s(s+1)/{s(s+1)+K1K2} は、分子が前向きブロックの逆数側になっています。出力は前向きブロック K1/{s(s+1)} を通った信号なので、分子は K1 になります。
覚えるポイント
- 前向き伝達関数を G(s)、帰還伝達関数を H(s) とおきます。
- 負帰還の閉ループ伝達関数は G(s)/{1+G(s)H(s)} です。
- 正帰還なら分母は 1-G(s)H(s) になります。
- この問題では、G(s) = K1/{s(s+1)}、H(s) = K2 です。
- よって、伝達関数は K1/{s(s+1)+K1K2} です。