69AM034|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
誤っているのはどれか。
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正解: 1
正答
1(妊娠糖尿病ではインスリン抵抗性が低い)
この問題のポイント
糖代謝に関する妊娠時の変化、糖化反応、腎での糖処理、グルコース測定原理をまとめて判断する問題です。
解説
誤っているのは1です。妊娠、とくに中期以降はヒト胎盤性ラクトゲン、プロゲステロン、コルチゾールなどの作用によりインスリン抵抗性が増大します。母体の膵β細胞がインスリン分泌を増やして代償できないと妊娠糖尿病を発症するため、「抵抗性が低い」は逆です。ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉は、グルコースがヘモグロビンβ鎖N末端バリンへ非酵素的に結合し、可逆的なSchiff塩基からアマドリ転移を経て安定なケトアミンになることで生成します。血糖が腎尿細管の再吸収能を超えて尿糖が出始める腎閾値は概ね160〜180 mg/dLですが、個人差や妊娠・腎機能の影響があります。ムタロターゼはα-D-グルコースとβ-D-グルコースの相互変換を速め、β型を利用するグルコースオキシダーゼ法などで反応を均一化します。ナトリウム・グルコース共輸送体2〈SGLT2〉は近位尿細管管腔側にあり、濾過グルコースの大部分を再吸収します。
選択肢の確認
1.誤り。妊娠糖尿病では胎盤ホルモンなどによりインスリン抵抗性が高まり、代償性インスリン分泌が不足すると高血糖になります。
2.正しい。HbA1cの安定な糖化産物ができる過程では、初期のSchiff塩基から安定なケトアミンへのアマドリ転移が関与します。
3.正しい。血糖が概ね160〜180 mg/dLを超えると近位尿細管で再吸収しきれず、尿中へグルコースが出現し始めます。
4.正しい。ムタロターゼは溶液中のα-D-グルコースとβ-D-グルコースの変換を促進し、測定反応へ利用可能な型を速やかに供給します。
5.正しい。SGLT2は近位尿細管に存在し、ナトリウム濃度勾配を利用して濾過されたグルコースの大部分を再吸収します。
覚えるポイント
- 妊娠中期以降はインスリン抵抗性が増大する。
- HbA1c生成はSchiff塩基形成からアマドリ転移へ進む非酵素的糖化である。
- SGLT2は近位尿細管でグルコース再吸収を担う。
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