69PM005|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
囊虫症をきたすのはどれか。
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正解: 3
正答
3(有鉤条虫)
この問題のポイント
有鉤条虫では、豚肉中の幼虫を食べた場合の腸管成虫寄生と、虫卵を飲み込んだ場合の全身囊虫症を区別する問題です。
解説
有鉤条虫〈Taenia solium〉の生活環では、通常ヒトが終宿主、ブタが中間宿主です。加熱不十分な豚肉に含まれる囊尾虫をヒトが摂取すると、小腸内で成虫となり有鉤条虫症を起こします。一方、ヒトが患者便で汚染された食品・手指などを介して虫卵を摂取すると、虫卵から六鉤幼虫が孵化し、腸壁を通って血行性に全身へ移行します。この場合はヒト自身が中間宿主となり、筋、皮下組織、眼、中枢神経などに囊虫を形成して囊虫症となります。脳に寄生する神経囊虫症では、囊虫の変性に伴う炎症によってけいれん、頭痛、水頭症などを起こし得ます。成虫寄生と囊虫症は同じ有鉤条虫でも摂取する発育段階が違うことが最大の要点です。虫卵は無鉤条虫と形態だけで鑑別しにくいため、片節や頭節、分子学的検査なども用います。
選択肢の確認
1.誤り。小形条虫は虫卵から直接感染し小腸に成虫が寄生する小形条虫症を起こしますが、典型的なヒト囊虫症の原因ではありません。
2.誤り。無鉤条虫はウシを中間宿主とし、牛肉中の囊尾虫でヒトへ成虫寄生しますが、通常ヒトに囊虫症を起こしません。
3.正しい。有鉤条虫の虫卵をヒトが摂取すると六鉤幼虫が組織へ移行し、ヒト囊虫症を起こします。
4.誤り。日本海裂頭条虫は魚類を介してヒトの小腸へ成虫寄生する裂頭条虫症を起こし、有鉤条虫の囊虫症とは異なります。
5.誤り。クジラ複殖門条虫は海産魚などを介する複殖門条虫症の原因で、ヒト囊虫症の原因ではありません。
覚えるポイント
- 有鉤条虫の虫卵を摂取するとヒトが中間宿主となり囊虫症を起こす。
- 豚肉中の囊尾虫を摂取した場合は小腸の成虫寄生となる。
- 神経囊虫症はけいれんの原因になり得る。
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