69PM006|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
77 歳の男性。西日本在住。農作業で虫に刺されたため診療所を受診し、マダニ咬症と診断された。 3 日後に 39 ℃の発熱があり再診した。 考えられる疾患はどれか。
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正解: 5
正答
5(重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉)
この問題のポイント
西日本の農作業中にマダニへ刺され、その後に高熱を来したという疫学情報からマダニ媒介感染症を選ぶ問題です。
解説
重症熱性血小板減少症候群〈severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS〉は、SFTSウイルスを保有するマダニの刺咬で感染するウイルス性疾患です。国内では西日本を中心に患者が報告され、野外作業を行う高齢者は典型的なリスク背景です。発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐・下痢などで発症し、検査では白血球減少と血小板減少が重要です。重症例では意識障害、出血、播種性血管内凝固、多臓器障害へ進むことがあります。本例はマダニ咬症が医療機関で確認され、その後39 ℃の発熱を来しているため、選択肢ではSFTSを第一に考えます。ただしマダニ刺咬部が分からない患者もおり、曝露歴、血球数、生化学検査、ウイルス核酸検査などを組み合わせます。患者の血液・体液から人へ感染することもあるため、標準予防策と適切な個人防護具が重要です。
選択肢の確認
1.誤り。日本脳炎は主にコガタアカイエカが媒介するウイルス感染症で、マダニ刺咬後の発熱という状況とは媒介節足動物が異なります。
2.誤り。発疹チフスはRickettsia prowazekiiをコロモジラミが媒介する疾患で、マダニ媒介ではありません。
3.誤り。ツツガムシ病はOrientia tsutsugamushiをツツガムシ幼虫が媒介し、刺し口・発疹・リンパ節腫脹などを示しますが、マダニ咬症とは区別します。
4.誤り。デング熱・デング出血熱はネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊が媒介し、マダニは媒介しません。
5.正しい。SFTSはマダニ媒介で、西日本の野外作業、高熱、白血球・血小板減少という特徴が本例に合致します。
覚えるポイント
- SFTSはマダニ媒介で、高熱・白血球減少・血小板減少が重要である。
- 西日本の農林作業など野外曝露は重要な疫学情報である。
- 日本脳炎・デングは蚊、発疹チフスはシラミ、ツツガムシ病はツツガムシ幼虫が媒介する。
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