69PM061|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問

32 歳の男性。 アフリカ系アメリカ人。 貧血の精査で採血した末梢血の May‑ Giemsa 染色標本を別に示す。 この疾患について誤っているのはどれか。

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正解: 2

正答

2.赤血球は高酸素状態で変形する。

この問題のポイント

鎌状赤血球症では、異常ヘモグロビンHbSが低酸素下で重合することを形態と結び付けます。

解説

May-Giemsa染色像では、両端が尖って細長く弯曲した鎌状・三日月状の赤血球が多数みられ、赤血球の形や大きさにもばらつきがあります。矢印、倍率、尺度、A/Bなどのラベルは表示されていません。この形態は鎌状赤血球症を示唆します。HbS(hemoglobin S、ヘモグロビンS)はβグロビン鎖の6番目のグルタミン酸がバリンへ置換した異常ヘモグロビンです。酸素が外れた低酸素状態ではHbS分子が重合して長い線維を作り、赤血球を鎌状に変形させます。反復すると膜障害が進み、柔軟性低下、溶血、微小血管閉塞を生じます。高酸素状態ではなく、脱酸素、脱水、アシドーシスなどが鎌状化を促進します。アフリカ系という背景は疫学的手掛かりですが、診断は形態とヘモグロビン分析・遺伝学的検査で行います。

選択肢の確認

1.正しい。βグロビン遺伝子HBBの変異による遺伝性疾患で、鎌状赤血球症は常染色体潜性形式をとります。
2.誤り。赤血球が変形するのは高酸素状態ではなく、HbSが重合する低酸素状態です。
3.正しい。とくにヘテロ接合の鎌状赤血球形質は、重症熱帯熱マラリアに対する抵抗性と関連します。
4.正しい。鎌状化した赤血球は柔軟性が低く、微小血管を閉塞して疼痛発作や臓器障害を起こします。
5.正しい。この疾患の赤血球には異常ヘモグロビンであるHbSが含まれます。

覚えるポイント

  • 画像の両端が尖った鎌状赤血球はHbSを示唆します。
  • HbSは低酸素下で重合し、鎌状化・溶血・血管閉塞を起こします。
  • ヘテロ接合体では重症熱帯熱マラリアへの抵抗性が知られます。

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