68AM067|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

55 歳の男性。リンパ節腫大と肝腫大のほか、高カルシウム血症と血清 LD 高値を認める。末梢血の May-Giemsa 染色標本を別に示す。 この疾患に関係があるのはどれか。

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正解: 4

正答

4(HTLV-1ウイルス)

この問題のポイント

花弁状核の異型リンパ球と高カルシウム血症から成人T細胞白血病リンパ腫を診断し、原因ウイルスを選ぶ問題です。

解説

提示されたMay-Giemsa染色像では、中央の異型リンパ球の核が深い切れ込みによって複数の丸い花弁状部分に分かれて見えます。この実際に確認できる多分葉核はflower cellと呼ばれ、成人T細胞白血病リンパ腫〈ATL〉を示唆する代表的形態です。症例のリンパ節腫大、肝腫大、血清乳酸脱水素酵素〈LD〉高値は腫瘍量の増加に合い、高カルシウム血症もATLでしばしばみられる重要な手掛かりです。ATLはヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉に感染した主にCD4陽性T細胞から発症する末梢性T細胞腫瘍です。HTLV-1感染者の一部が長い潜伏期間を経て発症し、診断では抗HTLV-1抗体、末梢血形態、免疫表現型、必要に応じてプロウイルス組込みなどを評価します。画像と臨床像を一つずつ結び付けると、ほかの白血病関連融合遺伝子やリンパ腫細胞は除外できます。

選択肢の確認

1.誤り。BCR-ABL1融合遺伝子は慢性骨髄性白血病や一部の急性リンパ性白血病に関連し、flower cellを示すATLの原因ではありません。
2.誤り。PML-RARA融合遺伝子は急性前骨髄球性白血病に特異的で、異常前骨髄球や播種性血管内凝固が問題になります。
3.誤り。Epstein-Barr〈EB〉ウイルスはBurkittリンパ腫、伝染性単核球症、節外性NK/T細胞リンパ腫などと関連しますが、本症例の組合せではありません。
4.正しい。HTLV-1はATLの原因ウイルスであり、画像のflower cell、高カルシウム血症、リンパ節・肝腫大と整合します。
5.誤り。Reed-Sternberg細胞はHodgkinリンパ腫でみられる大型の腫瘍細胞で、提示された末梢血のflower cellとは別の所見です。

覚えるポイント

  • ATLはHTLV-1関連の成熟T細胞腫瘍です。
  • flower cellは深い切れ込みをもつ花弁状多分葉核です。
  • ATLでは高カルシウム血症、リンパ節腫大、肝脾腫、LD高値が手掛かりです。

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